9:35 AM - 10:25 AM
[I-OR02-01] 小児心疾患で右室拡張能をいかに評価すべきか?
Keywords:relaxation, right ventricle, stiffness
【背景】左室拡張能は、拡張期前半の弛緩、後半のstiffnessで評価される。小児心疾患において右室機能は重要だが、左室・右室圧波形の性状は異なり、左室評価法が右室にそのまま適用できるかは検証を要する。小児心臓カテーテル検査における右室拡張能評価法は定まっていない。
【方法】TOF術後(TF)群、PAH群、正常右室圧・右冠動脈川崎病(KD)群のそれぞれ連続25、5、8例、中央値3.1, 11, 3.1歳を対象に、左室圧、および右室圧を高精度圧ワイヤーにより500Hzで記録した。弛緩時定数は、dp/dt minの圧P0を起点として拡張末期圧EDPまでの心室圧下降脚を指数関数(tau E)およびロジスティックモデル(tau L)で近似して求めた。拡張期後半のchamber stiffness (K)は、EDPから最小圧Pminを減じて各室の一回拍出量係数(SVI)で除して概算した。両指標と病態の関連を探索的に検討した。
【結果】RV収縮期圧(SP)は、TF/PAH/KD群で、57±27/ 68±12/ 20±4 mmHg、EDP 9±4/ 11±3/ 5±2 mmHgと前2群で有意に高値を示した。tau Eは、PAHとKD群で有意差を認めなかったが、tau Lは22±5/ 15±1msとPAH群で高値をとり、両者の分布に重なりを認めなかった。TF群のtau Lは幅広く分布した(23±9 ms)。Kは0.20±0.05/ 0.26±0.13/ 0.09±0.03 mmHg/ml*m2と前二者で有意高値を示したのに加え、全体としてlog BNPと良好な正相関を示した(R=0.51, P=0.0018)。
【考察】右室弛緩時定数算出は、fit部分が左室より小さく、fitがさまざまな影響を受けやすいため、P-dp/dt平面上でfitの妥当性を検証の上、tau Lの使用が適すると考えられた。Kは拡張後期stiffnessを反映すると考えられた。今後右室拡張能が病態に及ぼす意義につき、症例数を増加させ検証していきたい。
【方法】TOF術後(TF)群、PAH群、正常右室圧・右冠動脈川崎病(KD)群のそれぞれ連続25、5、8例、中央値3.1, 11, 3.1歳を対象に、左室圧、および右室圧を高精度圧ワイヤーにより500Hzで記録した。弛緩時定数は、dp/dt minの圧P0を起点として拡張末期圧EDPまでの心室圧下降脚を指数関数(tau E)およびロジスティックモデル(tau L)で近似して求めた。拡張期後半のchamber stiffness (K)は、EDPから最小圧Pminを減じて各室の一回拍出量係数(SVI)で除して概算した。両指標と病態の関連を探索的に検討した。
【結果】RV収縮期圧(SP)は、TF/PAH/KD群で、57±27/ 68±12/ 20±4 mmHg、EDP 9±4/ 11±3/ 5±2 mmHgと前2群で有意に高値を示した。tau Eは、PAHとKD群で有意差を認めなかったが、tau Lは22±5/ 15±1msとPAH群で高値をとり、両者の分布に重なりを認めなかった。TF群のtau Lは幅広く分布した(23±9 ms)。Kは0.20±0.05/ 0.26±0.13/ 0.09±0.03 mmHg/ml*m2と前二者で有意高値を示したのに加え、全体としてlog BNPと良好な正相関を示した(R=0.51, P=0.0018)。
【考察】右室弛緩時定数算出は、fit部分が左室より小さく、fitがさまざまな影響を受けやすいため、P-dp/dt平面上でfitの妥当性を検証の上、tau Lの使用が適すると考えられた。Kは拡張後期stiffnessを反映すると考えられた。今後右室拡張能が病態に及ぼす意義につき、症例数を増加させ検証していきたい。