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[I-OR04-01] 成人期Failed Fontan患者に対する積極的外科介入
Keywords:成人先天性心疾患, Fontan手術, 10073
【背景】成人期Fontan患者では心機能低下、不整脈、蛋白漏出性胃腸症(PLE)、チアノーゼなどの遠隔期合併症が問題となる(Failed Fontan)。【目的】成人期Failed Fontan症例に対する治療方針とその成績を検討する。【方針】1.構造的異常に対する外科的修復、2.不整脈に対するAblation、MAZE手術、ペースメーカー、3.痕跡的心室を有する心機能低下例に対する心臓再同期療法(CRT)を積極的に行う。【対象】小児期にTCPCを行い成人に達した12例、成人期にTCPCを行った12例、TCPC転換を行った10例の計34例の成人TCPC症例のうち、Failed Fontanと判断し治療を行った8例を対象とした。Failedの判断根拠としては、心機能低下4例(房室弁逆流合併2例)、PLE 3例、チアノーゼ進行1例であった。Failed Fontanと判断した時点でのCVPは平均16(10-21)mmHg、平均SpO2は平均92(80-98)%であった。判断時点以降の経過観察期間は平均12(6-19)年。【結果】介入は、TCPC転換:4、CRT:2、房室弁置換:2、MAZE手術:2、大動脈弁下狭窄解除:1、SVC血流再建:1で、take downした症例はない。死亡は1例(APC Fontanで高度心不全、肝硬変合併、CVP 21mmHg。房室弁置換、TCPC転換を行ったが、多臓器不全で死亡)。遠隔期死亡なし。PLEの3例のうち2例は外科介入後にステロイド、ヘパリン治療により寛解した。1例は血行動態的異常を認めず、内科治療を行っているが寛解していない。心不全の1例で持続する腹水に対して腹膜透析用チューブを留置し、定期的な腹水除去とアルブミン補充を行っている。肺高血圧治療薬としては、タダラフィル:3、ボセンタン:2、エナラプリル:4、ベラプロスト:1を使用している。生存例での介入後CVPは平均13(9-17)mmHg、平均SpO2は91(86-96)%である。介入した全例でNYHA classの改善を認めた。【結語】Failed Fontanに対する積極的外科治療(TCPC転換、弁置換、CRT、MAZE手術)は、そのQOL改善に有用である。