The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

画像診断

Free Paper Oral 13 (I-OR13)

Fri. Jul 7, 2017 4:55 PM - 5:45 PM ROOM 5 (Exhibition and Event Hall Room 5)

Chair:Kenji Waki(Department of Pediatrics, Kurashiki Central Hospital)

4:55 PM - 5:45 PM

[I-OR13-03] 4D flow MRIから解析したフォンタンルートの吻合方向とエネルギー効率の関係について

中村 太地1, 瀧聞 浄宏1, 武井 黄太1, 田澤 星一1, 安河内 聰1, 岡村 逹2, 上松 耕太2 (1.長野県立こども病院 循環器小児科, 2.長野県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:フォンタン手術, MRI, エネルギー損失

【背景】フォンタン循環では機能的右室が存在しないため、効率的にフォンタンルートの血流が肺動脈に流れる手術デザインが求められる。一方、近年4D flow MRIを用いて非侵襲的に様々な疾患の血流ベクトルを明瞭に提示することが可能となり臨床応用が期待されている。phase contrast法で撮影した画像をもとに可視化した4D flow MRI imageを用いて3次元的に血流解析を行うことによって、より正確なフォンタン循環の評価をできる可能性がある。【目的】フォンタン術後患者のフォンタンルート周囲のエネルギー損失(EL)を算出し、吻合方向とフォンタンルートのエネルギー効率の関係について検討する。【方法】対象はフォンタン術後患者15例(男7例、女8例、平均年齢15±1.6歳)、MRI装置Multiva1.5T(Philips社)、3D phase contrast法により撮影された 画像をもとに作成した4D flow MRI imageをCardio flow Station®(Cardio Flow Design社)を用いて解析し吻合部前後のELを算出した。心外導管と上大静脈および肺動脈ついて3D MRI MPRにより描出した中心線のなす角度を計測した。1心拍中の平均EL(mEL)を上行大動脈のQ-flowから算出した一回心拍出量(SV)で補正した値と上大静脈-肺動脈、および心外導管-肺動脈の挿入角との相関関係について比較検討を行った。【結果】1心拍中のmELは2.4±0.4mW、mEL/SVは48.8±7.4mW/Lであった。心外導管-肺動脈挿入角の平均は68±3.5度で、mEL/SVとの間に有意な相関関係を認めた(r=0.525, p<0.05)。一方、上大静脈-肺動脈挿入角は、多くの症例で90度以上で(95±8.5度)、mEL/SVと逆相関する傾向があった(r=-0.512, p=0.06)。【結語】4D flow MRIを用いてフォンタンの心外導管と肺動脈吻合方向によるエネルギー効率の変化を定量的に評価できた。4D flow MRIによるEL解析で効率的な循環をもたらすフォンタンルート作成に応用できる可能性がある。