The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

川崎病・冠動脈・血管

Free Paper Oral 26 (I-OR26)

Fri. Jul 7, 2017 4:55 PM - 5:55 PM ROOM 7 (Seminar and Exchange Center, 2F The Music Studio Hall)

Chair:Masahiro Ishii(Department of Pediatrics, Kitasato University)

4:55 PM - 5:55 PM

[I-OR26-02] 川崎病冠動脈後遺症例における抗血小板薬治療の再評価に関する研究~Webアンケートを用いた使用実態調査

池田 和幸1, 八幡 倫代1, 吉岡 綾子1, 鈴木 千夏1, 岡本 亜希子1, 奥村 謙一1, 小林 徹2, 石黒 精3, 濱岡 建城4 (1.京都府立医科大学 小児科, 2.国立成育医療研究センター 臨床研究開発センター 開発企画部 臨床研究企画室, 3.国立成育医療研究センター 教育研修部, 4.宇治徳洲会病院 小児循環器・川崎病センター)

Keywords:川崎病, 抗血小板薬, webアンケート

【背景】これまで我々は抗血小板薬の薬効評価として血小板凝集能を測定しており, アスピリンとチエノピリジン系薬剤併用の有用性を報告してきた. 一方, 近年になりアスピリンやクロピドグレル不応の存在も指摘されており, 抗血小板薬の有効性の再評価が必要と考えらえる.【目的】各施設における抗血小板薬の使用実態を調査し, 治療法の現状把握を目的とした.【方法】日本川崎病学会運営委員在籍施設(JSKD 35施設), 日本小児循環器学会修練施設(JSPCCS 110施設)を対象として, webアンケートの形態で調査を行った. 調査期間は2016年6月~11月とした.【結果】JSKD35施設中35, JSPCCS 110施設中77, 計112施設(77%)のアンケート回収率だった. アスピリンは全施設で有熱期に使用され, 30-49mg/kg/日(88.8%)の容量で解熱後あるいはCRP陰性化まで投与された(計85.7%). 86.1%で3-5mg/kg/日へ減量され, 投与期間は入院より1~3か月後が83.5%を占めた. 拡大/小瘤残存症例では95.5%で抗血小板薬が使用され, アスピリンは全施設で選択された. 中瘤残存症例では全施設で抗血小板薬が使用され, 最も多い薬剤の組合せは, アスピリン 93.6%, ジピリダモール57.1%, チクロピジン 34.9%, クロピドグレル 17.5%だった. 巨大瘤残存症例では全施設で抗血小板薬が使用され, 77.5%の施設で抗血小板薬とワルファリンが全例に併用された. 最も多い抗血小板薬の組合せは中等瘤とほぼ類似した. 複数の抗血小板薬を併用しない施設は37.8%だった. 抗血小板薬の薬効評価は7施設(6.3%)でのみ行われた.【考察】アスピリンとジピリダモールの併用が最も多く, チエノピリジン系薬剤併用の頻度はそれほど多くなかった. 薬効評価は殆ど行われておらず, 臨床経過により治療の妥当性が判断されていると推測された.【結論】各施設において従来の治療法が選択されていた. 今後は薬効評価の基礎データを蓄積することにより, 新たなエビデンスの構築を目指したい.