6:00 PM - 7:00 PM
[I-P03-04] 乳幼児期に共通房室弁置換術を行った心房内蔵錯位症候群(Heterotaxy)の3症例
Keywords:Heterotaxy, 共通房室弁置換, 乳幼児
【はじめに】Heterotaxyに合併した中等度以上の共通房室弁逆流は予後不良因子であり、乳幼児期での人工弁置換(CAVVR)を余儀なくされる場合がある。その際、弁輪と人工弁とのsize mismatch解消と、Heterotaxy特有の房室伝導路障害(AVB)回避に工夫を要する。【症例1】6ヶ月、3.9kg、SRV、PA、LPAS、Bil.SVC 、Aspleniaの男児。徐々に共通房室弁逆流が増強し、3ヶ月時にBil.BDG、LPA plasty、CAVV plastyを施行。逆流の制御が困難で、術後16日目に人工弁(ATS 16mm)を用いたCAVVRを行った。前後方の房室結節を想定し、その近傍は弁のみを縫合lineとし、Supra-Annular位に縫着。術後、完全AVBとなりペースメーカー植え込みを施行し、2年経過。【症例2】10ヶ月、3.8kg、SRV、TGA、PS、TAPVC、Aspleniaの男児。1生日にTAPVC repair、3ヶ月時にBDG、MPA banding、CAVV plastyを施行。その後、徐々に共通房室弁逆流が増強し、Sungらの方法(Ann Thorac Surg 2008)に準じ、径20mmのGore-Tex graftを人工弁(ATS16mm)のcuffとして使用したCAVVRを行った。右側優位の共通房室弁に対して後方結節を想定し、その近傍は弁のみを縫合lineとし、Supra-Annular位に縫着。術後、一過性のAVBが見られたが改善し、5ヶ月経過。【症例3】1歳9ヶ月、3.6kg、Unbalanced AVSD(IDD)、TGA、PA、VSD、LPAS、Polyspleniaの女児。6ヶ月時にPA plasty、mBT shunt、CAVV plastyを施行。その後、徐々に共通房室弁逆流が増強し、同様のSungらの方法に準じたCAVVRを行った。共通前尖弁輪と心室中隔の接合がなく後方結節のみを想定し、その近傍は弁のみを縫合lineとし、Supra-Annular位に縫着。術後、AVBなく3ヶ月経過。【まとめ】Gore-Tex graftのcuff付き人工弁をSupra-Annular位に縫着することで、弁輪とのsize mismatchが解消でき、弁輪へのストレス軽減効果によるAVB予防が期待された。