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[I-P04-03] Amplatzer Vascular Plug2にて治療した巨大冠動脈瘻の1例
Keywords:冠動脈瘻, AVP2, カテーテル治療
【背景】冠動脈瘻(coronary artery fistula:CAF)は小児期に無症状でも,成人期以降で心不全や狭心症状が生じることがある。治療適応は,症状の有無や瘻孔血管の瘤化,Qp/Qs等をもとに決定される。 【目的】右冠動脈から右室に開口するCAFに対してAmplatzer Vascular Plug2(AVP2)を用いて閉鎖した6歳男児例を経験したので報告する。【方法】患者は、家族の就学前治療希望のため当院へ紹介。初回心カテ検査施行。Distal typeのCAFで、右冠動脈起始部は9.7mmと著明に拡大。Qp/Qs=1.71と治療適応のあるCAFと判断。CAFを試験的にバルーン閉鎖したところ、CAFの出口の直前に正常冠動脈枝が分枝。厳重な抗凝固療法が必要と考えられたが、治療可能と判断し、5か月後に治療施行した。複数個のコイルにて治療を行う選択肢もあったが、コイルを積み重ねる際に正常冠動脈枝を塞栓してしまう可能性と、コイルの回収の困難性を考え、AVP2の使用を選択した。【結果】右内頚静脈より6Frガイディングカテを挿入し、その中にグースネックスネアを通し、主肺動脈でスネアを待機。そこに、右大腿動脈より右冠動脈→CAF→右室→主肺動脈とマイクロバルーンカテを血流に乗せ到達させた。スネアにてGW+マイクロバルーンカテをキャッチし、AV-Loopを作成。マイクロバルーンカテを引き込み、6Frガイディングカテを右室→CAF→右冠動脈へと逆行性に挿入し、AVP2を留置した。造影にて、CAFの完全閉鎖と造影剤のPoolingを認めたものの、これまで確認し難かった正常冠動脈枝が造影される状態となり虚血所見もなかった。現在ワーファリンにて抗凝固療法中。【結語】AVP2にて治療した冠動脈瘻の1例を経験した。適応外使用だが、安全に効果的にCAFを塞栓することができた。