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[I-P04-05] カテーテル治療の適応外とされた術後心房中隔欠損症再離開に対してFigulla Flex IIを用いて閉鎖した1例
Keywords:心房中隔欠損症, Amplatzer, Figulla Flex II
【背景】Figulla Flex II(FF II)が2016年より使用可能となり,その軟らかく可動性に富み,erosionが少ないという特徴から留置症例が増えている. rim欠損部位によるAmplatzer septal occluder (ASO)との使い分けやdeviseサイズの選択については未だ議論が多い. 【症例】11歳女児.身長155.5cm, 体重 47.5kg. 6歳時の就学前健診で17×19mmの二次孔心房中隔欠損症(ASD)の診断となった. 外科手術の希望あり右開胸でASD直接閉鎖術を施行. 術後経過観察中に残存シャントが拡大し10歳時に再治療の方針となりカテーテル治療を希望された. 経食道エコーでは心房中隔下縁に18×17mmの欠損孔を認め,rimはそれぞれIVC 2mm,posterior 14mm,SVC 17mm,superior 6mm,aortic 9mm,AV valve 11mm,CS 7mmであった. 閉塞栓脱落のリスクからカテーテル治療の適応外とされ,正中切開アプローチによる再手術の方針が一旦決定した. しかしその後FFIIが使用可能となり再度適応を検討したところ,術後組織でありrimが厚くdeviseを把持し易い可能性やFFIIのflexibilityを考慮し,また外科治療の場合は創部が2ヶ所になることから家族の強い希望があり,留置困難なら回収を前提にカテーテル治療を施行した. 最終的に24mmのFFIIの植え込みを行いWiggleでも圧着良好であった. 術後2日で僅かなシャントを認めたもののその後の経過は良好である. 【考察】一般的にASDの下縁欠損のカテーテル治療は難しく,FFIIではIVC rim側の微小な遺残短絡の報告をしばしば認める. 本症例では合併症のリスクも考慮しつつ,術後再離開という状況で美容面やQOL,家族の強い希望を考慮した上でFFIIを選択した. FFIIのflexibilityや術後のためrimが肥厚し強度が強いことが留置が可能であった要因と考えられた. 【結論】ASOによる治療困難例と判断された症例に対してFFIIは有効な可能性が残されており,症例の蓄積による適応の検討が必要と考えられた.