The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

電気生理学・不整脈

Poster (I-P05)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Yoshiaki Kato(Department of Child Health, Faculty of Medicine, University of Tsukuba)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-P05-10] 学校心臓検診で小児心房中隔欠損(ASD)を見逃さないために~心臓カテーテル検査例におけるECG所見からの考察~

森藤 祐次, 鎌田 政博, 中川 直美, 石口 由希子, 松本 祥美 (広島市立広島市民病院 循環器小児科)

Keywords:心房中隔欠損, ASD, 心電図

【背景】ASDの存在を示唆するECG所見としては、(1)V1 rsR’型, (2)孤立性陰性T波, (3)下方誘導のQRS notchパターン(crochetage)などが知られる。しかし小/中学校の学校心臓検診でASDと診断されずに見逃されている症例は稀でない。【目的】学校心臓検診でASDを見逃さないためのECGの読み方を明らかにする。【対象/方法】当院で心臓カテーテル検査を行った18歳未満のASD126例(1.4~17.3歳, med.6.4, Qp/Qs med.2.1)のECGを, 前記(1)~(3)に(4)V6の幅広いs波((1)~(3)と重複なし), (5)それ以外を加えた5群に分類。対象をQp/QsによりA群≧1.5(110例)とB群<1.5(16例)に分類(A群は過去5年間, B群は過去7年間の症例を対象). A群をさらに<6歳のA1群(54例), 6~12歳のA2群(36), 12~18歳のA3群(20)に分類, どのようなECG所見の組み合わせが、ASDの診断率向上に有用か調査した。【結果】ECG(5)群は18例(14%)のみ. 陽性診断率は(1)のみ/(1)+(or)(2)/(1)+(3)/(1)+(4)の順に, A1群:35/67/70/78%. A2群:56/61/83/75%, A3群:30/35/80%/85%, B群:13/31/31/50%であった.同様に3項目を抽出した場合、感度は(1)+(3)+(4)の組み合わせが最良で、A1/A2/A3/B群の順に,87/86/95/50%であった。【考察/結論】典型的irbbbだけで抽出すると、Qp/Qs≧1.5例でも診断率は低く、乳幼児期/小学生/中高生で35/56/32%に過ぎず、多くのASDを見逃してしまう。しかし, 幅広いs波/crochetageを加えると診断率はそれぞれ75~84%/70~84%に向上、同3者を組み合われば約90%例でASD診断が可能になる. 特に(4)は学校心臓検診で用いられる3誘導ECGでも診断可能であり、所見(4)を見つけた場合には、精査か心音の聴取が必要である。