The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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JSPCCS-JCC Joint Session

JSPCCS-JCC Joint Session (II-JJS)

Sat. Jul 8, 2017 10:10 AM - 11:40 AM ROOM 4 (Exhibition and Event Hall Room 4)

Chair:瀧聞 浄宏(長野県立こども病院 循環器科)
Chair:Kagami Miyaji(Department of Cardiovascular Surgery, Kitasato University School of Medicine)

10:10 AM - 11:40 AM

[II-JJS-02] Mitral valve plasty in children

Toshihide Nakano, Hideaki Kado, Shinichiro Oda, Satoshi Fujita, Noriko Fujimoto, Shuhei Sakaguchi, Tatsuya Okamoto, Hiroshi Mitsuo, Shou Takemoto (福岡市立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:mitral stenosis, mitral regurgitation, artificial chordae

【背景】小児の僧帽弁疾患に対する外科治療では弁のサイズや成長を考慮し形成術が第一選択である。術式の選択においてはその病因と解剖学的構造の十分な理解が必要である。
【対象と方法】当院で1996年から2015年までに経験した僧帽弁形成術181例(閉鎖不全症167例、狭窄症14例)の手術成績について後方視的に検討した。房室中隔欠損症における左側房室弁の症例は除外した。
【術式】僧帽弁閉鎖不全症では弁輪縫縮を基本とし、症例に応じてcleft閉鎖や余剰弁尖部分切除を行った。また70例でPTFE 糸による人工腱索を用いた形成術を併用した。僧帽弁狭窄症ではsupra mitral ringの切除6例、癒合乳頭筋および交連の切開8例行った。
術後平均観察期間は7.5年。
【結果】僧帽弁閉鎖不全症:手術死亡は3例(Ross-Konno同時手術後のLOSが2例、HOCM合併例が1例)で、遠隔死亡は認めなかった。再手術は人工腱索非使用群で4例に施行(術後16.0±18.8年、再形成術2例、弁置換術2例)し、人工腱索使用群で5例に施行(術後8.1±6.2ヶ月、再形成術2例、弁置換術3例)した。最終心エコー検査(7.5±5.0年後)での逆流の程度はtrivial以下66.9%、mild 28.0%、moderate 3.8%、severe 1.3%で、左室流入速度は平均で1.2±0.3m/sであった。
僧帽弁狭窄症:手術死亡はなく、遠隔死亡を3例(感染、PH crisis、喀血)に認めた。
再手術は2例に弁置換(7ヶ月後、5年後)を行った。最終エコーでは逆流はmildが2例で他はtrivial以下、また左室流入速度は1.6±0.3m/sであった。
【結語】小児における僧帽弁形成術の中期遠隔成績は良好であったが、弁の変形、変性が高度な弁では早期の再手術が必要であった。また人工腱索を用いた弁形成においても患児の成長に伴う逆流や狭窄の進行は認められなかった。今後も慎重な経過観察が必要である。