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[II-OR35-05] 本邦におけるDel Nido心筋保護の臨床導入を目指した前臨床実験的研究
キーワード:Del Nido, コンダクタンスカテーテル, 心筋保護
【背景】近年、米国では心臓外科領域において単回投与のみで心筋保護効果を有するとされるDel Nido液が普及してきているが、基礎研究データが欠如しており、適用の適正条件はいまだ未確立である。【目的】今回我々は本邦への導入を前提とした前臨床研究として、Del Nido液による心機能改善の観点から虚血耐用時間を評価することを目的とした大動物による実験を行った。【方法】対象は生後2か月のpiglet, 10頭。In vivoのCPB modelにてDel Nido液投与後90分および120分の虚血再灌流後の左心機能をコンダクタンスカテーテルを用いて計測した。【結果】90分虚血群では収縮能、拡張能とも充分満足いく回復率を示した (Ees 74.37%, PRSW 105.6%, EDPVR 89.67%、DOB 1μg/kg/min投与: Ees 162.8%, PRSW 112.5%, EDPVR 112.9%)。一方120分虚血群では収縮能の低下(Ees 51.52%, PRSW 78.58%, EDPVR 84.09%)を認めたが、DOB 1μg/kg/min投与にて改善を認めた(Ees 98.3%, EDPVR 77.3%)。【結論】90分虚血群の心機能は許容できるものであったが、120分虚血群では軽度の収縮性・拡張性の低下を認め、90分虚血段階で追加投与やHot shotなどの処置が推奨されることが示された。