The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

学校保健・疫学・心血管危険因子

Free Paper Oral 36 (II-OR36)

Sat. Jul 8, 2017 2:45 PM - 3:35 PM ROOM 6 (Exhibition and Event Hall Room 6)

Chair:Naomi Izumida(Akebonocho Clinic)

2:45 PM - 3:35 PM

[II-OR36-01] 就学前の乳幼児の救急搬送症例の検討 ―幼稚園・保育園におけるAED設置の重要性についてー

檜垣 高史1,2, 矢島 知里2, 森谷 友造2, 宮田 豊寿1,2, 田代 良2, 浦田 啓陽2, 高橋 昌志1,2, 山内 俊史2, 太田 雅明2, 高田 秀実1,2, 石井 榮一1,2 (1.愛媛大学大学院医学系研究科 地域小児・周産期学, 2.愛媛大学大学院医学系研究科 小児科学)

Keywords:AED, 突然死, 乳幼児

【背景および目的】 愛媛県における学校救急体制はAEDの複数台設置を含めた適正配置および関係者の意識の向上により飛躍的に進歩している。幼稚園・保育園についての検討は少なく体制整備は十分でないため改善を目指した現状評価が必要である。小児の緊急搬送のうち就学前の心肺停止症例および幼稚園・保育園の救急体制について検討した。【対象と方法】 対象は、過去10年間(平成17年4月~平成27年3月)の期間に、救急搬送された18歳以下の小児症例のうち、6歳未満の乳幼児すべて。松山市中央消防署の協力のもと、年齢、性別、年度別、重症度別、事故発生状況、時間帯、要因などについて解析した。また幼稚園・保育園におけるAED設置状況についても検討した。【結果】松山市の人口は約50万人、1年間の出生数約4500人で、救急搬送は年間平均2万人、小児搬送数は約1700人、新生児の搬送は30人、乳児の搬送は820人であった。調査期間中、幼稚園・保育園への出場件数は10年間で131、心肺停止のため救急搬送された小児69例のうち乳幼児は42例(1歳未満24例、1~5歳18例)であった。急病が67%を占め、不慮の事故が19%、溺水5%、加害2%であった。Bystanderによる心肺蘇生は、23例に施行され、家族によるものが9割であった。0~2歳の急病のうち、就寝時の発病が11例中9例であった。既知のLQTSのため家族が持参していたAEDを保育士の使用により救命された症例もあった。【考察および結語】就学前の1~5歳の幼児の心肺停止は比較的多く、幼稚園、保育園へのAED設置を含めた体制整備も重要であることが明らかになった。