The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

学校保健・疫学・心血管危険因子

Free Paper Oral 36 (II-OR36)

Sat. Jul 8, 2017 2:45 PM - 3:35 PM ROOM 6 (Exhibition and Event Hall Room 6)

Chair:Naomi Izumida(Akebonocho Clinic)

2:45 PM - 3:35 PM

[II-OR36-02] 新しい学校心臓検診ガイドラインにおける接合部調律取扱いの問題点

岡川 浩人 (滋賀病院 小児科)

Keywords:学校心臓検診, 接合部調律, 上室頻拍

【はじめに】新しい学校心臓検診ガイドラインでは心室拍数80/分以上の接合部調律は上室頻拍に準じるとされたが、学校心臓検診における接合部調律の頻度・心室拍数の分布の実態については明確でない。今回、学校心臓検診における接合部調律の現状について調べたので報告する。【対象・方法】滋賀県大津市学校心臓検診一次心電図検診対象者より抽出した4479人を対象とし、接合部調律の頻度を検討した。さらに、接合部調律と診断された65人について心室拍数の分布について検討した。また、滋賀県で学校心臓検診に従事している医師36人に対してアンケート調査を行い、接合部調律の診断方法、診断基準について調査した。心電計自動判読の精度についても検討した。【結果】接合部調律の頻度は、小学生2.9%(100/3414人)、中学生3.7%(39/1065人)、心室拍数の分布は80/分を頂点とする正規分布との結果を得た。心臓検診従事医師へのアンケート調査では、上室頻拍を鑑別する心室拍数は100回/分とする回答が最も多かった。また、II、III、aVF陰性P波調律に対する心電計自動判読はメーカーによる差が大きく、洞調律と判定される場合も多かった。【考察】新ガイドラインでは接合部調律は全例医療機関受診とされており、現在の二次検診抽出率(小学生2.81%、中学生3.57%)から考えて、二次検診以降を担当する医療機関受診が倍増する可能性がある。また、これまで心室拍数80/分以上の接合部調律はほとんど拾い上げられておらず、新ガイドライン移行により少なくとも一次検診接合部調律児童の半数が新たに要管理となる可能性がある。【結語】検診医療機関の負担軽減のため、心室拍数基準の見直し、心電計自動判読の取り扱いなどを検討する必要があると考えられた。