The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

胎児心臓病学

Free Paper Oral 38 (II-OR38)

Sat. Jul 8, 2017 4:15 PM - 5:05 PM ROOM 7 (Seminar and Exchange Center, 2F The Music Studio Hall)

Chair:Yukiko Kawazu(Department of Pediatrics, Toyonaka Municipal Hospital)

4:15 PM - 5:05 PM

[II-OR38-04] 当院における大動脈縮窄の胎児診断と出生後転帰の検討 -大動脈弁径による疑い症例抽出の有用性-

戸田 孝子1, 喜瀬 広亮1, 河野 洋介1, 須長 祐人1, 小泉 敬一1, 杉田 完爾1, 星合 美奈子1, 小笠原 英理子2, 奥田 靖彦2 (1.山梨大学医学部小児科・新生児集中治療部, 2.山梨大学医学部産婦人科)

Keywords:胎児心エコー, 大動脈縮窄, 大動脈離断

【背景と目的】大動脈縮窄(CoA)は、生後ductal shockをきたしうる疾患であり、胎児診断が重要である。診断に有用な種々の指標が報告されているが、当院では産科医が行うスクリーニングで、まず比較的容易に描出できる左室流出路での大動脈弁(AV)が小さいことよりCoA疑い症例を抽出し、小児循環器医と合同で再評価し、フォローを行っている。当院での評価法について検討した。【対象と方法】対象期間は2012年1月から2016年12月。産科医によるスクリーニングで、Shapiroの報告(Ultrasound Obstet Gynecol 1998) の在胎週数におけるAVの基準値を用い、AVが2.5%タイル以下の症例を抽出し、CoA疑いとした。症例の出生後転帰を検討した。また、CoA疑い例の胎児心エコー記録より、大血管径比(AV / PV 比)、心室横径比(LV / RV比)、大動脈峡部/上行大動脈(I/aseAo)比、大動脈峡部/下行大動脈(I/desAo)比、大動脈峡部/動脈管(I/DA)比について後方視的に検討した。【結果】当院産科で胎児心エコーを施行され出生した例は2661例であった。その他の心奇形疑い例を除外した2631例のうち、CoAを疑った例は13例であった。13例中、生後、3例が単純型CoA、2例がCoA/VSD、2例がIAAと診断され、計7例に外科治療を施行された。対象期間中、胎児心エコーで異常を指摘されず、生後に診断されたCoA/IAA例はなかった。CoA疑い13例のAV/PV比は0.35~0.73、LV/RV比は0.51~1.00、I/aseAo比は0.45~0.89、I/desAo比は0.43~0.89、I/DA比は0.37~0.80であった。出生後CoA/IAA群;7例、非CoA群;6例の2群で各指標を比較したが、差はなかった。【まとめ】当院でのスクリーニングは、偽陽性例も比較的少なく、見落としなく生後に治療を要するCoA/IAA例を検出することができ、有用な方法と考えられた。一方、出生後の治療の要否は胎児心エコーで完全に診断することは困難であり、スクリーニング例については出生後の注意深いフォローが必要である。