6:15 PM - 7:15 PM
[II-P18-05] 肺動脈上行大動脈起始の臨床像
Keywords:AORPA, 肺動脈上行大動脈起始, PH
【はじめに】肺動脈大動脈起始(AOPA)は稀な奇形で、術前の臨床像や管理、遠隔期の成績についてまとまった報告は少ない。また、特殊な循環動態で、左右の肺高血圧の原因は未だ明確になっていない。
【目的】AOPAの臨床経過を明確にすること。
【方法】1986年1月から2017年1月までに当院で診療を行った複雑心奇形非合併例15例(男性7例)の臨床経過を診療録から後方視的に検討した。
【結果】AOPA の異常肺動脈は全例右側で、死亡例なし。以下中央値。観察期間16.1年(0.1-24.6)、在胎週数39週(37-41)、出生体重2.9kg(2.7-3.5)、染色体異常1例、診断日齢14日(0-192)、術前心胸郭比65%(56-75)。合併心奇形:PDA12、VSD1、ASD/PFO 9例。評価可能なエコー画像7例のうちPDA血流方向は5例でMPA→Ao、2例で両方向性であった。術前心臓カテーテル検査を11例に施行。平均肺動脈圧:右42mmHg(32-55)左50mmHg(27-65))、RVp/AOp 1.03(0.82-1.34)。PDA閉鎖はOversystemicのリスク因子であった(p<0.01)。PGE1製剤使用はPDA閉鎖症例にはなく、PDA狭小やCoAが疑われた3例に使用。肺血流増加に伴い2例でN2吸入を併用された。
手術待機中に右肺動脈が閉塞した1例を除く14例に右肺動脈形成術施行。手術時月齢1.2カ月(0.2-17.5)、体重3.3kg(2.6-7.4)、形成に人工血管3例(径6-10mm)使用。人工呼吸器期間2日(1-15)、NO使用10例(3日間(1-13))、ICU滞在5日(1-10)、退院時HOT使用3例。
術後10例に心臓カテーテル検査施行、初回は術後26日目(14-164)、RpI 2.0 U・m2(1.2-4.6)、RVp/AOp 0.34(0.14-0.52) 。術後に再介入した中等度以上の末梢性PS(bPS)は 4例(圧較差30mmHg(29-40))。初回術後35カ月後(4-182)に手術2例、経皮的血管形成術2例が行われ全例改善。bPSの有意なリスク因子はなし。CPXを7例(平均12.8歳時)に行い、peakVO2 110%N(97-118)。
【考察】術前PDA閉鎖例で有意にOversystemicであった。術後1/4の症例で再介入を要したが総じて良好な経過であった。
【目的】AOPAの臨床経過を明確にすること。
【方法】1986年1月から2017年1月までに当院で診療を行った複雑心奇形非合併例15例(男性7例)の臨床経過を診療録から後方視的に検討した。
【結果】AOPA の異常肺動脈は全例右側で、死亡例なし。以下中央値。観察期間16.1年(0.1-24.6)、在胎週数39週(37-41)、出生体重2.9kg(2.7-3.5)、染色体異常1例、診断日齢14日(0-192)、術前心胸郭比65%(56-75)。合併心奇形:PDA12、VSD1、ASD/PFO 9例。評価可能なエコー画像7例のうちPDA血流方向は5例でMPA→Ao、2例で両方向性であった。術前心臓カテーテル検査を11例に施行。平均肺動脈圧:右42mmHg(32-55)左50mmHg(27-65))、RVp/AOp 1.03(0.82-1.34)。PDA閉鎖はOversystemicのリスク因子であった(p<0.01)。PGE1製剤使用はPDA閉鎖症例にはなく、PDA狭小やCoAが疑われた3例に使用。肺血流増加に伴い2例でN2吸入を併用された。
手術待機中に右肺動脈が閉塞した1例を除く14例に右肺動脈形成術施行。手術時月齢1.2カ月(0.2-17.5)、体重3.3kg(2.6-7.4)、形成に人工血管3例(径6-10mm)使用。人工呼吸器期間2日(1-15)、NO使用10例(3日間(1-13))、ICU滞在5日(1-10)、退院時HOT使用3例。
術後10例に心臓カテーテル検査施行、初回は術後26日目(14-164)、RpI 2.0 U・m2(1.2-4.6)、RVp/AOp 0.34(0.14-0.52) 。術後に再介入した中等度以上の末梢性PS(bPS)は 4例(圧較差30mmHg(29-40))。初回術後35カ月後(4-182)に手術2例、経皮的血管形成術2例が行われ全例改善。bPSの有意なリスク因子はなし。CPXを7例(平均12.8歳時)に行い、peakVO2 110%N(97-118)。
【考察】術前PDA閉鎖例で有意にOversystemicであった。術後1/4の症例で再介入を要したが総じて良好な経過であった。