The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

一般心臓病学

Poster (II-P18)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Sachiko Inukai(Japanese Red Cross Nagoya Daini Hospital, Department of Pediatrics)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P18-07] 新生児期に症状を有する動脈管瘤に対する外科的介入の適応

河野 洋介, 喜瀬 広亮, 須長 祐人, 戸田 孝子, 小泉 敬一, 杉田 完爾, 星合 美奈子 (山梨大学小児科・新生児集中治療部)

Keywords:動脈管瘤, 動脈管, 新生児

【背景】動脈管瘤(DAA)に対する新生児期の外科的介入の適応は、(1)結合組織疾患を有する例、(2)動脈管内の血栓が隣接血管に進展している場合、(3)血栓塞栓症の合併、(4)隣接臓器を機能的に圧迫している場合と報告されている(J Am Coll Cardiol.2000;36:262-9)が、新生児期の拡張した動脈管に対する外科的介入は、人工心肺を要する場合も多くリスクが高い。今回、我々は出生直後にDAAによる気道閉塞を呈した症例を経験した。自験例および文献的考察から、新生児期に症状を有するDAAに対する外科的介入の適応について検討したので報告する。【症例】在胎39週6日4,016gで出生した男児。在胎26週の胎児エコーで動脈管の蛇行および右下方への偏位が指摘されていた。出生直後より呼吸性アシドーシスを伴う呼吸障害を有し、胸部造影CTで直径11mmのDAAによる左気管支の閉塞を認めた。気道閉塞解除目的に動脈管切除術を考慮したが、CPAP装着により症状が改善したため経過観察とした。DAAは自然退縮し、日齢33に閉鎖した。【考察】2000年~2016年に、生後2ヶ月未満にDAAに対し外科的介入を行った症例および上記の外科的介入の適応を満たす症例を過去の報告から集計し、該当した16例と自験例1例について、外科的介入の適応について検討した。17例中7例に外科的介入が行われ、その適応は、血栓塞栓症2例・結合組織疾患1例・持続する気道閉塞例1例であった。3例は合併症予防目的に介入が行われた。非手術例10例のうち、結合組織疾患を伴う1例はDAAの破裂により死亡、血栓塞栓症2例のうち1例は脳梗塞を併発していた。17例中9例がDAAの圧迫による気道症状を伴っていたが、症状改善目的に外科的介入を要した例は1例であり、他の症例は保存的治療で軽快していた。【まとめ】新生児期のDAAによる隣接臓器の圧迫は外科的治療介入の適応とされているが、自然退縮により症状の改善が期待できるため、保存的な経過観察が望ましいと考えられた。