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[II-P19-06] 感染性心内膜炎でPoly valvular diseaseを認めたデルマタン4-O-硫酸基転位酵素-1欠損に基づくEhlers-Danlos症候群の1例
キーワード:Ehlers-Danlos症候群, poly valvular disease, 遺伝子変異
【はじめに】Ehlers-Danlos症候群(EDS)は皮膚や関節の過伸展性、各種組織の脆弱性を特徴とする先天性疾患の総称で、古典型、血管型など6つの主病型に分類される。多くの症例で皮下出血を認め、僧帽弁逸脱、三尖弁逸脱、大動脈基部拡張などの心血管病変を認めることがある。また血管型では血管破裂、動脈瘤、動脈解離、動静脈瘻を認めることがある。【症例】主病型とは異なるデルマタン4-O-硫酸基転位酵素-1欠損に基づくEDS(古庄型、EDSKT)のため当院でフォローしている27歳女性。9歳時に三尖弁に疣贅を伴う感染性心内膜炎を発症し、疣贅除去と三尖弁形成術を行った。感染性心内膜炎に罹患した際に僧帽弁・三尖弁・大動脈弁に逆流を認めた。以後poly valvular diseaseとして経過観察しているが、弁逆流の進行や大動脈基部の拡張なく経過している。しかし、頻回の皮下血腫とその疼痛管理のために入退院を繰り返している。【考察】EDSKTは国内で8例報告があり、半数以上の症例で三尖弁や僧帽弁の逸脱・逆流、大動脈弁逆流などを認めている。また巨大皮下血腫もほぼ必発である。【結語】皮膚の脆弱性のため手術のリスクが高く、内科管理が非常に重要と考える。非常に稀な病型ではあり、今後の症例の蓄積が望まれる。