The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

複雑心奇形

Poster (II-P21)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Toru Okamura(Department of Cardiovascular Surgery,Nagano Children's Hospital)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P21-01] 無脾症候群の現状と課題

今井 健太, 村田 眞哉, 井出 雄二郎, 伊藤 弘毅, 菅野 勝義, 石道 基典, 福場 遼平, 坂本 喜三郎 (静岡県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:無脾症, 房室弁形成, 新生児

【はじめに】無脾症候群に対する治療成績は改善が見られるものの未だ満足するには至っていない。現状を把握し課題を明らかとすることを目的とした。【対象と方法】1997年9月~2016年12月に当院で初回手術介入を行った無脾症候群86例を対象とした。手術年代別に第1群(98-04,n=28),第2群(05-09,n=27),第3群(10-16,n=31)に分類した。男児は1群16例(57%):2群17(63):3群14(45)(以下同順),PAは18(64):18(67):18(58)でうちMAPCAは0:3:5,心外型TAPVCは14(50):15(56):17(55)でうち術前PVOは9(33):6(22):14(45)であった。初回手術について肺血流源別術式はBTS11:19:14,mainPAB6:3:3,VPC5:0:1,CS4:0:1,BPAB0:0:4,BDG1:4:5,他1:1:3で,28日未満での介入は17(61):11(41):16(52)であった。BDG以前のTAPVC修復は7(25):8(30):18(58),全経過中での房室弁形成は12(43):16(59):13(42)で,うち新生児期介入は2:4:4であった。生存率,リスク因子の解析を行った。【結果】死亡は14(50):8(30):9(29)で,死因はLOS9:3:4,SD0:4:2,PVO3:0:0,感染2:0:1,肺障害0:1:2であった。1/5年生存率は64/50:81/70:77/67であった。新生児期以降介入例での1/5年生存率は73/55:100/87:93/93で,新生児期介入例では59/47:64/55:68/40であった。比例ハザード分析(単変量,p値)では術前PVO0.10:0.15:0.13,新生児期弁形成0.37:0.03:0.03,MAPCA対象無し:0.91:0.08であった。第3群で多変量解析p値は,新生児期弁形成0.01,MPACA0.02であった。新生児期弁形成例で6ヵ月以内死亡は第2群2/4例,第3群0/4例であった。【結論】新生児期以降介入例の治療成績は安定化が認められた。一方,新生児期介入例は未だ満足いく結果が得られておらず,近年の症例の解析からは,新生児期に弁への介入が必要な症例,またMAPCA合併例などの重症児に課題が残されていた。ただし新生児期弁形成例でも中期の生存は得られるようになってきており,今後も成績改善のための努力を続けることが必要である。