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[II-P22-03] 造影CTを用いたPA indexの評価(心臓カテーテルとの比較)
Keywords:PA index, 造影CT, 心臓カテーテル
【背景・目的】先天性心疾患において、肺血管床を評価する指標として、PA index (上葉枝分岐直前の左右肺動脈断面積の和/体表面積)が用いられる。通常は心臓カテーテルによる肺動脈造影や右室造影で評価するが、右室流出路や肺動脈の角度により、明瞭に評価できないことも多い。造影CTによるPA indexの評価が、心臓カテーテルによる評価と相関するか否か、PA indexの評価を造影CTで代用できるかについて検討した。【方法】2012年以降心臓カテーテルと造影CTを6か月以内の間隔で施行した先天性心疾患症例20例について、造影CTの水平断と前額断で上葉枝分岐直前の左右肺動脈径を測定し、造影CTによるPA indexを計算した。症例は男8例、女12例、年齢は心臓カテーテルが4か月から18歳、造影CT検査が5か月から18歳であった。心臓カテーテルと造影CTの間で手術介入があった症例は除外した。CT装置は320列東芝Aquilion ONEを使用した。【結果】心臓カテーテルによるPA indexは最小159、最大519、平均319、造影CT水平断によるPA indexは最小175、最大398、平均259、造影CT前額断によるPA indexは最小114、最大503、平均295であった。心臓カテーテルと造影CT水平断によるPA indexは相関係数0.71、散布図の直線近似式はy=0.4313x+121.57であり、心臓カテーテルと造影CT前額断によるPA indexは相関係数0.85、散布図の直線近似式はy=0.8691x+17.521であった。【考察】造影CTによるPA index評価は心臓カテーテル検査による評価と相関したが、水平断よりも前額断の方がより相関が強かった。これは心臓カテーテルによる評価は肺動脈の前額断径を測定している事と、水平断ではやや測定位置が不正確になる事によると考えられた。【結論】造影CT前額断によるPA indexの測定は心臓カテーテルによる測定と相関し、心臓カテーテル検査に代用できるものと思われる。