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[II-P24-01] 学校心臓検診でのQT短縮の抽出法の検討
Keywords:学校心臓検診, QT短縮, QT短縮症候群
【背景】QT短縮症候群(以下SQTS)の診断基準は提唱されているが、学校心臓検診での抽出基準は定まっていない。【目的】学校心臓検診でのBazett補正(以下B補正)とFridericia補正(以下F補正)によるQT短縮者の抽出の違いを検討する。【方法】新潟市学校心臓検診で12誘導心電図を記録した小1 6607名(男 3389名 女3218名)と中1 6707名(男3412名 女 3295名)が対象。自動計測法(微分法)でQTc<360を1次抽出者とし、用手接線法で再度QT間隔を計測した。そこでQTc<330を2次抽出者とした。B補正とF補正による抽出者の割合とその心電図所見を検討した。【結果】B補正での1次抽出者は計23名;小1男1名(0.03%)女0名(0%): 中1 男14名(0.4%) 女8名(0.24%)。2次抽出者は計14名; 小1男1名(0.03%)女0名(0%): 中1 男9名(0.26%) 女4名(0.12%)。F補正での1次抽出者は計 48名; 小1男12名(0.35%)女15名(0.47%): 中1 男8名(0.23%) 女13名(0.39%)。2次抽出者は計31名; 小1男7名(0. 2%)女13名(0.4%): 中1 男6名(0.18%) 女5名(0.15%)。B補正とF補正の2次抽出者の心拍数は、それぞれ54±5bpmと79±15bpmで、早期再分極(以下ER)の頻度はそれぞれ8名(57%)、6名(19%)あった。用手接線法は自動計測法よりQT間隔が平均27.0±11.4ms短かった。1次、2次ともF補正がB補正より抽出者が多かったが、2次抽出者数/1次抽出者数 (%)は、B補正とF補正はそれぞれ60.8%、64.5%と同等であった。またB補正での2次抽出者は低心拍でERが多く、男が女より、中1が小1より多かった。一方F補正での2次抽出者は高心拍が多く、ERは少なく、女が男より、小1が中1より多かった。【考察】F補正、B補正ともにSQTSの診断基準であるQTc<330を高頻度に認め、過剰診断している可能性がある。さらに補正の違いにより抽出者が大きく異なっていた。既報のSQTS患者との比較などによりさらなる検討が必要である。