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[II-P24-07] 乳児期までに永久的ペースメーカー留置に至った胎児徐脈性不整脈の検討
キーワード:胎児徐脈, ペースメーカー, 導入時期
【はじめに】胎児徐脈性不整脈は2万分娩に1例と稀な疾患であり、特に心構造異常を合併すると予後不良と考えられている。我々は2010年8月から2016年7月の6年間に当院胎児エコー外来にて胎児徐脈性不整脈を指摘され、出生後永久的PM留置術(PMI)に至った7例の周産期経過における特徴を比較検討し報告する。
【症例の内訳】症例の内訳は完全房室ブロック(CAVB)が5例、2度房室ブロックから高度ブロックへの進展が1例、洞不全症候群が1例であった。心構造異常を伴わないものは4例、伴ったものは3例であった。(PDA・ASDは心構造異常には含めなかった。)心構造異常を伴わない4例中3例がCAVBで、うち2例は母体抗SS-A抗体陽性であった。CAVBの胎児心拍数(FHR)はいずれの症例も50-60bpm程度で、出生後も同程度の徐脈を認め、新生児期にPMIを施行した。2度房室ブロックの症例は高度ブロックに進行し乳児期にPMIを施行した。心構造異常を伴った3例はそれぞれ、多脾症候群、大動脈縮搾複合(CoA complex)、心室中隔欠損症(VSD)であった。VSDの症例は18trisomyを合併していた。死亡例は18trisomyの1例のみであった。CoA complexの症例は洞不全を合併し、乳児期にPM導入した。留置したPMの種類は1例がDDD mode、その他はVVI modeであった。
【まとめ】胎児徐脈性不整脈を指摘され、PMIに至った7例を経験した。PM留置率は高かったが、当院での胎児徐脈性不整脈の生存率は良好であった。胎児徐脈性不整脈の周産期管理は、徐脈の程度や種類の判定に加え、心筋症等にも注意が必要で、心臓構造異常の有無・重症度にも大きく左右されることが示唆された。
【症例の内訳】症例の内訳は完全房室ブロック(CAVB)が5例、2度房室ブロックから高度ブロックへの進展が1例、洞不全症候群が1例であった。心構造異常を伴わないものは4例、伴ったものは3例であった。(PDA・ASDは心構造異常には含めなかった。)心構造異常を伴わない4例中3例がCAVBで、うち2例は母体抗SS-A抗体陽性であった。CAVBの胎児心拍数(FHR)はいずれの症例も50-60bpm程度で、出生後も同程度の徐脈を認め、新生児期にPMIを施行した。2度房室ブロックの症例は高度ブロックに進行し乳児期にPMIを施行した。心構造異常を伴った3例はそれぞれ、多脾症候群、大動脈縮搾複合(CoA complex)、心室中隔欠損症(VSD)であった。VSDの症例は18trisomyを合併していた。死亡例は18trisomyの1例のみであった。CoA complexの症例は洞不全を合併し、乳児期にPM導入した。留置したPMの種類は1例がDDD mode、その他はVVI modeであった。
【まとめ】胎児徐脈性不整脈を指摘され、PMIに至った7例を経験した。PM留置率は高かったが、当院での胎児徐脈性不整脈の生存率は良好であった。胎児徐脈性不整脈の周産期管理は、徐脈の程度や種類の判定に加え、心筋症等にも注意が必要で、心臓構造異常の有無・重症度にも大きく左右されることが示唆された。