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[II-P24-09] 先天性心疾患術後の洞結節機能不全患者に対するシロスタゾール投与
Keywords:シロスタゾール, 洞結節機能不全, 先天性心疾患術後
【背景】成人ではシロスタゾールの洞機能不全に対する有効性が報告されているが、小児では不明である。【目的】先天性心疾患術後の洞結節機能不全患者に対するシロスタゾール投与の効果、問題点を調べる。【方法】対象は先天性心疾患術後の洞結節機能不全5名。投与開始時年齢3.6±2.3歳。投与期間は4.5±1.7年。年齢不相応の徐脈に対してシロスタゾール(2-4mg/kg/day,分2)投与を開始した。投与前後の24時間ホルター心電図での全心拍数・最大心拍数・最小心拍数・平均心拍数・最大RR間隔・2秒以上のポーズの回数を比較検討した。また全心拍数の経年的変化も調べた。【結果】シロスタゾール投与前1か月以内と投与開始後3か月以内にホルター心電図検査を実施した。全心拍数は104,688±26,340/106,614±21,059、最大心拍数131.2±43.2/143.0±26.4、最小心拍数50.0±13.7/51.8±14.3、平均心拍数73.4±18.6/78.4±15.9、最大RR間隔2,158±650/1,558±460、ポーズ11.0±11.59/1±2.2で、最大RR間隔とポーズの回数は改善したが、統計学的有意差は認めなかった。また、その他の項目では大きな改善は認められなかった。シロスタゾール投与による副作用は全例で認めず安全に使用できていた。経年的変化については、投与後一旦心拍数の改善を認めても、その後に投与開始時の水準を下回る結果になり、効果は限定的である可能性が示唆された。【考察】小児でもシロスタゾール投与が有効な可能性がある反面、遠隔期に効果が減少してペースメーカ植込みになる症例もあることから、ガイドラインでも記載されている様にシロスタゾール投与はペースメーカ植込みまでの“橋渡し的”な治療である可能性が否定できない。【結語】シロスタゾール投与が有効な症例も存在するが、効果は限定的である可能性がある。