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[II-P26-06] 当院におけるFontan手術患者の臨床的検討
Keywords:Fontan手術, Extracardiac TCPC, 治療戦略
【背景】Fontan手術により、単心室系心疾患患者の予後は改善している。しかし、その治療戦略は施設によって異なるのが現状である。【目的】当院におけるFontan手術患者の手術時期や治療内容などの臨床経過を明らかにし、治療戦略について検討することを目的とした。【対象と方法】北里大学病院で2012年から2016年までにFontan手術を施行した14例を対象とし、手術時期、手術時体重、治療内容、合併症について後方視的に検討した。【結果】症例は、三尖弁閉鎖症が4例、左心低形成症候群が3例、純型肺動脈閉鎖が3例、両大血管右室起始症が1例、Shone複合が1例、大血管転位症が1例、多発性筋性部心室中隔欠損症が1例で、男児7人、女児7人であった。時期と体重(中央値)は、第一姑息術は19日で2.7kg、Glenn手術は4.5ヶ月で4.6kg、Fontan手術(Extracardiac TCPC、fenestration作成)は14ヶ月で7.5kgであった。全例、在宅酸素療法と肺血管拡張薬の内服を行っており、各々10例がGlenn手術後からであった。抗凝固療法はアスピリンとワーファリンを使用しており、Fontan手術後1年でfenestrationの閉鎖を確認し、ワーファリンを中止していた。合併症は1例で第一姑息術後に脳梗塞を起こしたが、その後の神経学的異常所見は認めず、不整脈や蛋白漏出性胃腸症や肝機能障害などは認めなかった。11例で側副血行路を認め、9例でコイル塞栓術を要した。染色体異常を合併した1例がFontan手術後に死亡した。【考察】新生児期乳児期早期の姑息術から、乳児期早期のGlenn手術、1歳台のFontan手術を施行しているが、短期成績は概ね良好であった。【結語】近年の当院でのFontan手術症例に関して検討を行った。現行の治療戦略は、短期的予後は概ね良好であった。今後の症例の蓄積と中長期的な予後についての更なる検討が必要であると思われた。