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[II-P26-09] ダウン症候群を合併したFontan candidateの臨床経過
Keywords:ダウン症候群, 肺高血圧, フォンタン手術
【背景】ダウン症候群に対する単心室修復の報告は散見するが, 肺血管病変や呼吸器合併症,さらに術後胸水の遷延や感染など, 治療に難渋する症例が多いとされている.【目的】当院におけるダウン症候群のFontan candidateの臨床経過について検討すること.【対象・方法】2013年1月から2016年12月までに治療介入を行ったダウン症候群のうちFontan candidate の4例について後方視的に臨床経過を検討した. 【症例1】AVSD, TOF, straddling cholda, 口唇口蓋裂の診断の男児. 日齢14にLt. m-BT shunt, 11か月でshunt離断, Glenn手術を施行後にTadalafil, Bosentanを導入. 1歳8か月の心カテでmPAP 12-13 mmHg, 2歳2か月でTCPCを施行し術後25日で退院. 胸水貯留による再入院を認めたが, 術後14か月経過し全身状態は良好. 【症例2】PA, Ebstein奇形, TA, VSDの診断の男児. 1か月でRt. m-BT shuntを施行, 喉頭軟化症・気管軟化症により気管切開・在宅呼吸器管理. Tadalafil, Ambrisentanを導入し一時は心カテにてmPAP 18mmHgでGlenn手術不適応となったが、1歳3か月の心カテではmean PAP 15mmHgに改善. 1歳4か月でshunt離断, Glenn手術を施行. 術後のCVP 8mmHg, 術後20日で退院. 【症例3】unbalanced AVSD, CoAの診断の女児. 日齢2にSubclavian flap, PABを施行. 7か月の心カテにてmPAP 20mmHgでGlenn手術不適応の判断. Tadalafil, Ambrisentanを導入し1歳7か月の心カテにてRt. mPAP 8mmHg, Lt. mPAP 15mmHgに改善, 1歳10か月で肺動脈形成術, Glenn手術を施行. 術後のCVP 7mmHgであった. 【症例4】unbalanced AVSD, 十二指腸閉鎖症の診断の男児. 日齢1に十二指腸十二指腸吻合術, 日齢9にPABを施行し日齢39に退院. 現在Glenn手術を待機中.【考案・結語】肺血管拡張薬の投与, 気道病変や消化管病変などの合併症に対する管理により, Fontan手術に向けての外科治療が可能であった. 今後も症例の蓄積と中長期的な予後を検討する必要がある.