6:15 PM - 7:15 PM
[II-P28-04] APCA発現モデルラットを用いた新生血管発現量の定量化およびその時間的推移の検討
Keywords:血管新生, 体肺側副血行路, 低酸素血症
【背景】肺血流減少性心疾患では体肺側副血行路(APCA)がしばしば増生し、肺循環に影響を与え、心室への容量負荷から心不全や胸水の原因となり予後に影響を与えている。しかしAPCAに関する検討は少なく、不明なことが多い。今回、APCA発現動物モデルを用いてAPCA発現量の定量化とその時間的推移を検討したので報告する。
【目的】APCA発現量の定量化と時間的推移を明らかにすること
【方法】生後5週のSDラット(150~200g)の左肺動脈を結紮し、低酸素環境下(FiO2 10%: HO)で飼育した。APCA発現量の評価は上行大動脈と主肺動脈の血流量を測定し、その差をAPCA発現量として算出した。測定方法は、GE社Vivid E9の12MHzプローブとTransonic systems社の超音波血流計を用いて経胸壁および経血管的に測定し、相関性を評価した。週齢や飼育環境の影響を評価するため術後1, 2, 3, 4週で測定し、各10匹を用いて大気下飼育(RA)モデルとの比較を行った。統計学的解析はp<0.05を有意差ありとした。
【結果】飼育環境により体格に差が生じたため肺体血流比(Qp/Qs)を比較項目とした。結果は、経胸壁法によりHO: 1週:1.33±0.13, 2週:1.26±0.36, 3週:1.54±0.40, 4週:1.48±0.56、RA: 1週:1.27±0.20, 2週:1.29±0.27, 3週:1.53±0.35, 4週:1.43±0.31、対照: 1.15±0.14であった。対照と比較しHOでは術後1週より有意差を認めたが、RAでは術後3週以降であった。3週以降では2群間で有意差はなかった。経血管法と共に測定できた対象(N=3)ではR=0.90と相関が得られた。
【結論】低酸素飼育環境によりAPCAは早期から増生したが、術後3週以降では2群間に差は認められず代償期に至っていると考えられた。血管新生において低酸素環境は増幅因子となり得るが、術後3週以降の代償期以降ではAPCA発現量に差は認められなかった。APCAの発生機序解明には術後急性期からの評価が必要と考えられ、血管新生因子の時間的変動を追加検討する予定である。
【目的】APCA発現量の定量化と時間的推移を明らかにすること
【方法】生後5週のSDラット(150~200g)の左肺動脈を結紮し、低酸素環境下(FiO2 10%: HO)で飼育した。APCA発現量の評価は上行大動脈と主肺動脈の血流量を測定し、その差をAPCA発現量として算出した。測定方法は、GE社Vivid E9の12MHzプローブとTransonic systems社の超音波血流計を用いて経胸壁および経血管的に測定し、相関性を評価した。週齢や飼育環境の影響を評価するため術後1, 2, 3, 4週で測定し、各10匹を用いて大気下飼育(RA)モデルとの比較を行った。統計学的解析はp<0.05を有意差ありとした。
【結果】飼育環境により体格に差が生じたため肺体血流比(Qp/Qs)を比較項目とした。結果は、経胸壁法によりHO: 1週:1.33±0.13, 2週:1.26±0.36, 3週:1.54±0.40, 4週:1.48±0.56、RA: 1週:1.27±0.20, 2週:1.29±0.27, 3週:1.53±0.35, 4週:1.43±0.31、対照: 1.15±0.14であった。対照と比較しHOでは術後1週より有意差を認めたが、RAでは術後3週以降であった。3週以降では2群間で有意差はなかった。経血管法と共に測定できた対象(N=3)ではR=0.90と相関が得られた。
【結論】低酸素飼育環境によりAPCAは早期から増生したが、術後3週以降では2群間に差は認められず代償期に至っていると考えられた。血管新生において低酸素環境は増幅因子となり得るが、術後3週以降の代償期以降ではAPCA発現量に差は認められなかった。APCAの発生機序解明には術後急性期からの評価が必要と考えられ、血管新生因子の時間的変動を追加検討する予定である。