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[II-P29-03] 免疫グロブリンおよびステロイド療法により解熱後に巨大冠動脈瘤を合併した川崎病の2例
Keywords:川崎病, 巨大冠動脈瘤, 微熱
【背景】川崎病急性期の高度の炎症が治まり解熱した後、微熱、粘膜症状、炎症反応が持続し、冠動脈瘤を生じることを経験するが、文献的報告は少ない。【症例1】3歳男児。第4病日川崎病6症状を認め前医にて小林スコア8点、免疫グロブリン(IVIG)単回投与後、第5病日に解熱したが、第6病日に発熱し当院紹介。2nd lineとしてIVIG追加+プレドニゾロン(PSL)開始。第7病日に解熱したが、第8病日に再発熱。3rd lineとしてステロイドパルス(IVMP)を投与し解熱したが、その後37℃前半の微熱が持続し、炎症反応も陰性化しなかった。第12病日に両側巨大冠動脈瘤を生じ、左冠動脈内血栓を認めた。冠動脈瘤は径11mmまで拡大し、抗凝固療法を行ったが、3か月後に急性心筋梗塞を合併した。【症例2】4歳男児。第4病日川崎病主要症状5項目を認め、小林スコア8点でIVIG+PSL開始。第5病日に速やかに解熱し、以後発熱を認めなかったが、手掌紅斑が持続し、第8病日には眼球結膜充血が再燃した。炎症反応が陰性化せず、第12病日より左冠動脈瘤、第26病日に両側巨大冠動脈瘤を認めた。抗凝固療法を行い、現在発症後1年半だが、冠動脈イベントを認めず経過している。【考察】初期治療に反応し、炎症が改善したように見えても、軽度の炎症が持続して巨大冠動脈瘤合併を生じる症例が存在する。微熱、粘膜症状、炎症反応が持続する場合、巨大冠動脈瘤のハイリスク症例であることを認識して管理することが重要であると考えられた。