6:15 PM - 7:15 PM
[II-P29-02] 川崎病冠動脈後遺症に対しロタブレーターと薬剤溶出性バルーンを用いて経皮的冠動脈形成術を行った一例
Keywords:川崎病, 冠動脈後遺症, カテーテル治療
【症例】16歳男性。生後3ヶ月で川崎病に罹患。免疫グロブリン療法、ステロイド療法を行ったが両側巨大冠動脈瘤を残した。冠動脈瘤は経過中に狭窄病変となり抗凝固療法を行いながら定期フォローを継続していた。14歳のときに施行した冠動脈造影で回旋枝seg.13に冠動脈瘤とその前後に90%の狭窄病変を確認した。無症状であり、心臓MRIやトレッドミル心電図でも虚血は明らかではないため学校生活<D管理>として様子をみていたが、大学受験もあるため高校2年生で治療介入を行った。経皮冠動脈形成術(PTCA)は回旋枝の狭窄病変に対してロタブレーダー1.75 Burrに引き続き薬剤溶出性バルーン(DCB)を用いて行い、良好な結果が得られた。しかし6ヶ月後の冠動脈造影では同部位は90%狭窄となっていた。無症状であるため、同部位には追加治療を加えずに経過観察中である。
【考案】川崎病の冠動脈後遺症に対するPTCAの報告は多いがDCBを用いた治療報告は少ない。川崎病冠動脈病変は強い炎症のため、内膜や中膜の正常な構造は破壊されており、成人の動脈硬化性病変で認められる中膜の平滑筋増殖や新生内膜増殖はあまり生じないとする報告もある。薬剤溶出による内膜増殖抑制効果は川崎病冠動脈後遺症ではあまり重要でないのかもしれない。川崎病冠動脈後遺症に対する薬剤溶出性ステントやバルーンの使用報告は少なくデータの集積が待たれる。
【考案】川崎病の冠動脈後遺症に対するPTCAの報告は多いがDCBを用いた治療報告は少ない。川崎病冠動脈病変は強い炎症のため、内膜や中膜の正常な構造は破壊されており、成人の動脈硬化性病変で認められる中膜の平滑筋増殖や新生内膜増殖はあまり生じないとする報告もある。薬剤溶出による内膜増殖抑制効果は川崎病冠動脈後遺症ではあまり重要でないのかもしれない。川崎病冠動脈後遺症に対する薬剤溶出性ステントやバルーンの使用報告は少なくデータの集積が待たれる。