The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

学校保健・疫学・心血管危険因子

Poster (II-P30)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Yoshio Okamoto(Pediatrics, Kagawa Prefectural Central Hospital)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P30-06] 小児循環器から発信するセミナーから見えた小・中学校への心肺蘇生教育とその現状

大津 幸枝2, 桑田 聖子1, 栗嶋 クララ1, 簗 明子1, 岩本 洋一1, 石戸 博隆1, 増谷 聡1, 先崎 秀明1 (1.埼玉医科大学総合医療センター 小児循環器科, 2.埼玉医科大学総合医療センター 看護部)

Keywords:心肺蘇生教育, 小・中学校, 普及

【はじめに】学校内外で発生する小児期の外因性死亡を減らすために、学校での蘇生教育は重要である。蘇生教育は学校現場や自治体による偏在が想定される。その実態は明らかでない。本検討の目的は、当科主催セミナーに参加した学校教職員のアンケートから、蘇生教育の実施状況と課題を明らかにすることである。【方法】2016年に開催した教職員を対象とした心臓セミナー参加者に、心肺蘇生教育実施状況についてアンケートを記載いただき、後方視的に検討した。アンケートは個人が特定されないよう配慮し、アンケート用紙回収で同意を得た。【結果】回収率は63名中43名(68%)で、埼玉県中央から西部からの参加者が多数を占めた。内訳は、小学校が21校、中学校が18校、特別支援学校が4校であった。心肺蘇生教育実施は、小学校5校(24%)にとどまり、中学校でも10校(56%)と約半数であった。特別支援学校で高等部の生徒のみ実施している学校もあった。施行している学校では、対象学年は、小学5・6年生~中学生のすべての学年を対象としていた。【考察】本検討は該当セミナー参加者からというバイアスを有するが、学校あるいは地域により蘇生教育に偏在があることが示唆された。2011年にASUKAモデルが作成され、現場であるさいたま市では小・中学校のすべての学校で、実習を伴った心肺蘇生授業を積極的に行っている。その取り組みが埼玉県全体に十分に拡がっているとはいえない。さらなる蘇生教育の拡がりと進化のためには、教育、医療、消防関係者の協力・連携が不可欠であり、積極的に協力、働きかけをおこなっていきたい。