The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

学校保健・疫学・心血管危険因子

Poster (II-P30)

Sat. Jul 8, 2017 6:15 PM - 7:15 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Yoshio Okamoto(Pediatrics, Kagawa Prefectural Central Hospital)

6:15 PM - 7:15 PM

[II-P30-05] 地域二次診療機関における小児循環器診療

藤原 優子, 吉田 賢司 (町田市民病院 小児科)

Keywords:地域二次診療機関, 小児循環器診療, 疫学調査

【背景】県境に位置する小児人口55000人都市の地域2次診療機関である当院は市内唯一の小児入院ベッドを持つ。市内の分娩施設は4病院1助産院、近隣エリアには大学病院、小児病院、循環器専門病院がある。明らかな血行動態に異常を有する児のパリビズマブ投与は地域医療機関に委ねられ、小児循環器疾患の実態を把握しやすい。
【目的】本医療圏の小児循環器外来状況により、地域の小児循環器疾患の現状と問題点を把握し改善すること。
【方法】2016年1月より12月に当院小児循環器外来を受診した患者の電子カルテを後方視的に診断時の患者住所エリア、疾患、手術の有無、死亡の有無を検討した。
【結果】405人の児が延べ556回小児循環器外来を受診された。疾患診断時の市民は93.6%であった。
川崎病は220例(54.3%)、うち10例に急性期冠動脈病変を呈していたが、遠隔期に正常化した。急性期のZ-scoreが2.5であるが正常とされていた1例があるが、遠隔期には正常であった。
心雑音精査依頼の21例は心エコー検査で異常はなかった。
先天性心疾患は110例である。PDA自然閉鎖は7例中2例、ASD/PFO自然閉鎖は31例中17例、VSD56例中8例が自然閉鎖した。
術後患者は22例、死亡1例、18トリソミーで手術適応なし1例、手術待機中2例である。
染色体異常は18トリソミー1例、ダウン症候群9例である。ダウン症候群のうち3例が手術、2例がASD,PDAが各々自然閉鎖、3例が経過観察中、1例は他病院で死亡した。
不整脈疾患は29例であった。
内服治療例は17例である。2016年シーズンのパリビズマブ投与は6例である。
【考案】中規模2次診療機関の小児循環器外来では川崎病が半数以上である。Z-scoreが明らかになり、川崎病では急性期データを再検討する必要がある。自然閉鎖する先天性心疾患が相当数あり、経過観察やパリビズマブ投与の適正使用評価に貢献できる。疫学調査のモデルとなる可能性がある。