The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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E-Oral Presentation

その他

E-Oral Presentation 10 (III-EOP10)

Sun. Jul 9, 2017 1:00 PM - 2:00 PM E-Oral Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Tomoyuki Miyamoto(Children's Medical Center, Yokosuka General Hospital Uwamachi)

1:00 PM - 2:00 PM

[III-EOP10-08] 学校心臓検診でみつかった重症疾患児4例の検討 ―小学校4年生検診の有用性―

新井 修平1, 浅見 雄司1, 田中 健佑1, 池田 健太郎1, 下山 伸哉1, 寺川 勝也2, 笹原 聡豊2, 友保 貴博2, 宮本 隆司2, 小林 富男1 (1.群馬県立小児医療センター 循環器科, 2.群馬県立小児医療センター 心臓血管外科)

Keywords:学校心臓検診, 小学校4年生, 重症児

【はじめに】児童における疾患の早期発見・早期治療を目指して学校心臓検診が行われている。平成7年に小、中、高等学校の各1年生全員に心電図検査が義務付けられているが、小学校6年間のうちに追加の検診をすることが望ましいと考えられている。群馬県では小学校4年生の心臓検診を一部地域で行っており、学年全体の約40%の児童で実施している。今回、小学校4年生の学校心臓検診で見つかった重症疾患児4例について報告する。【症例1】9歳男児。小学校4年生の検診で心室性期外収縮を認め、拡張型心筋症を疑われ当院入院。原疾患の精査目的に東京女子医大へ転院した。心臓移植の適応として、平成25年に渡航移植を施行、現在外来管理中である。【症例2】9歳女児。小学校4年生の心臓検診で心電図異常を指摘され、精査目的に当院紹介受診し、心筋緻密化障害と診断した。外来管理中に自宅近くで突然死した。【症例3】10歳男児。小学校4年生の心臓検診で心電図異常を指摘され、心機能低下、易疲労感などの症状から精査目的に当院紹介受診し、不整脈原性右室心筋症と診断し、外来管理中である。【症例4】10歳男児。小学校4年生の心臓検診で不完全右脚ブロックを指摘され当院外来受診。エコーで心室中隔の扁平化を認め、推定右室圧は約60mmHgであった。カテーテル検査を行い肺動脈圧54/29(38)mmHgであり、心内奇形はなく肺動脈性肺高血圧と診断した。肺血管拡張薬による治療を開始し外来管理中である。【考察】いずれの症例も小学校4年生の学校検診を契機に医療的介入が開始された。従来通り中学1年生の検診まで持ち越された場合、より重症化した状態、もしくは突然死という形で発見されていた可能性がある。【結語】小学校4年生の学校心臓検診を普及すべきである。