11:05 AM - 11:55 AM
[III-OR44-04] ホルター心電図のQTcの活用への試み:安静時・運動後・ホルター心電図のQTcの比較
Keywords:QT延長症候群, QTc, ホルター心電図
【背景】先天性QT延長症候群(LQTS)の診断やtorsades de pointes発生のリスク評価などは、患児本人の症状や家族歴とともに、安静時心電図や運動後心電図のQTcをもとに行われる。しかし、日中のごく短時間に行われるこれらの心電図検査でのQTcだけでは不十分である可能性がある。【目的】ホルター心電図のQTcの臨床の場での活用法を探る。【方法】安静時心電図・運動負荷心電図・ホルター心電図の3検査すべてを施行した症例のQTc値(運動負荷心電図では運動後の最長値、ホルター心電図では24時間での最長値。Fridericia法で補正)を検討した。【結果】QTc値(平均値±SD, 範囲)は、control群(n=59)では、安静時が378±21ms(337~427ms)、運動後が389±25ms(337~463ms)、ホルター心電図が432±32ms(366~512ms)であった。LQTS1型患児(n=8)では、安静時が429±32ms(394~474ms)、運動後が486±40ms(440~561ms)、ホルター心電図で521±32ms(482~562ms)、2型患児(n=5)では、安静時が459±36ms(410~504ms)、運動後が453±35ms(405~501ms)、ホルター心電図で552±52ms(492~627ms)、3型患児(n=5)では、安静時が443±46ms(389~512ms)、運動後が424±31ms(389~453ms)、ホルター心電図で528±57ms(463~595ms)であった。【考察】ホルター心電図のQTcの臨床の場での活用について検討する。その際、年齢・性別を考慮することが重要である可能性がある。また、計測の際の技術的問題についても検討する。なお、更なる症例の蓄積が待たれる。