The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Free Paper Oral

電気生理学・不整脈

Free Paper Oral 44 (III-OR44)

Sun. Jul 9, 2017 11:05 AM - 11:55 AM ROOM 6 (Exhibition and Event Hall Room 6)

Chair:Tadayoshi Hata(Graduate School of Health Sciences, Fujita Health University)

11:05 AM - 11:55 AM

[III-OR44-05] KCNQ1の遺伝子変異を認めたてんかん合併QT延長症候群の双児例

額賀 俊介1, 星名 哲2, 沼野 藤人2, 羽二生 尚訓2, 鳥越 司2 (1.新潟県立中央病院小児科, 2.新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野)

Keywords:QT延長症候群, てんかん, KCNQ1

【背景】近年,QT延長症候群(LQTS)とてんかん合併の報告が散見され,イオンチャネル病として両者の関連が示唆されている.我々は,KCNQ1変異を認めたてんかん合併LQTSの双児例を経験した.【症例】二絨毛膜双胎の3歳女児.両児共に熱性けいれんの既往あり.発端者の双胎第2子は,昼食中に約40秒の全身性強直間代性けいれんがあり,発作後の心電図でFridericia補正QT時間(QTcF) 490msecとQT延長を認めた.発作時に発熱はなく,頭部MRIや脳波,血液検査では異常を認めなかった.精査入院中には数十秒の意識消失発作を認めたが,モニター心電図は洞調律であり,てんかん合併LQTSと診断した.てんかん症候群分類は,臨床経過から熱性けいれんプラスと診断した.クロバザム,プロプラノロール内服を開始し,以後1年以上はけいれん等を認めていない.双胎第1子は,第2子の診断後,スクリーニングの心電図でQTcF 471msecとQT延長を認めた.両親の希望で無治療経過観察としていたが,後日昼食中に約2分の意識消失発作を認め,本児も同診断で同治療を開始した.以後は同様の症状なく経過している.両児とも致死性不整脈はこれまで記録されていない.後日,遺伝子検査で両児共にKCNQ1の遺伝子変異(A525V)と,疾患修飾因子の可能性があるSCN5Aの遺伝子多型(R1023C)を認めた.家系内では父が同変異・多型を認め,妹は同変異のみ認めた.父は幼少期に熱性けいれんの既往があり,成人後に一度失神を起こしていた.内科を受診したがQT延長はなく,無治療で経過観察されている.妹はけいれんや失神,QT延長を認めず,無治療で経過観察中である.【結論】共にKCNQ1変異をもつ双児をてんかん合併LQTSと診断した.てんかん合併LQTSはKCNQ1変異の一表現型である可能性がある.