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[III-P32-01] 肺動脈造影による左右肺血流比の定量的評価, 肺血流シンチとの比較
Keywords:肺血流比, 肺動脈造影, 定量評価
【背景】肺動脈分岐狭窄を有する先天性心疾患において、血行動態評価および治療適応決定のために左右肺血流比を求めることは重要である。 従来は、99MTC-MAAを用いた肺血流シンチによる左右肺血流比の定量評価が基本であったが、最近検査薬の供給上の問題から使用制限されるようになった。【目的】東芝メディカルシステムズ(株)と共同で開発したparametric imagingによる新しい画像解析アルゴリズムを用いて、通常のカテーテル検査中の肺動脈造影から左右肺血流量比を求め、その妥当性について肺血流シンチと比較検討すること。【対象】肺動脈への血流供給源が単独で肺動脈造影と肺血流シンチをほぼ同時に行うことができた16例(2.9+/- 3.5才)。疾患はファロー四徴症(5), 大血管転換術後(5)肺動脈絞扼術後(6)。【画像処理】全肺野が入るように撮像範囲を設定し、肺動脈造影を実施。撮像はsubtractionのために造影剤が入る前に0.5秒間の撮像前曝射に続いて30fpm、512matrixで画像収集。収集された画像を肺血管床が均一に染まるphaseを選択してparametric imaging画像を作成し、d(画素値)/dt=fx(信号値)(fは初期値からの換算係数)という計算式で左右それぞれの血流量を求めた。その結果を99mTc-MAAによる肺血流シンチと比較した。【結果】新しいアルゴリズムで肺動脈造影より定量化した左右肺血流比は、肺血流シンチによる計測と良い相関を示した(r2=0.75)【結語】新しい肺動脈造影による肺血流比の定量評価法は、カテ中の左右肺血流比の定量化を可能にしカテ治療前後での比較や、肺血流シンチをスキップすることによる被曝低減化など臨床上有用な診断法になり得ると考えられる。