The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster

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Poster (III-P32)

Sun. Jul 9, 2017 1:00 PM - 2:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Ken Watanabe(Department of Pediatrics, The Tazuke Kofukai Medical Reserch Institute Kitano Hospital)

1:00 PM - 2:00 PM

[III-P32-05] 冠動脈瘻(CAF)閉鎖術後に退縮過程にある冠動脈壁の光干渉断層法(OCT)による評価

押谷 知明1, 村上 洋介1, 數田 高生1, 中村 香絵1, 川崎 有希1, 江原 英治1, 加藤 有子2, 吉田 葉子2, 鈴木 嗣敏2, 川平 洋一3, 西垣 恭一3 (1.大阪市立総合医療センター・小児医療センター 小児循環器内科, 2.大阪市立総合医療センター・小児医療センター 小児不整脈科, 3.大阪市立総合医療センター・小児医療センター 小児心臓血管外科)

Keywords:冠動脈瘻, OCT, コイル塞栓

【背景】CAFは未治療の場合、心不全、心筋梗塞、まれに冠動脈破裂のリスクがある。治療により拡張冠動脈の退縮が期待できるが血栓による冠動脈イベントのリスクも伴う。この冠動脈退縮の機序は明らかでない。【目的】CAF閉鎖術後に退縮過程にある冠動脈壁をIVUSと比較して約10倍の解像度をもつOCTにより評価する。【結果】症例は新生児期に右冠動脈(#3遠位)から右心室へのCAFと診断された男児。2歳時、右冠動脈は#1:8.9mm,#2:6.6mm,#3:6mmとソーセージ様に拡大しQp/Qs:1.62,LVEDV:159% of N。2歳8か月でdirect closureを行ったが短絡が残存し冠動脈の拡大傾向があったため8歳時にコイル塞栓術にて完全閉塞した。抗血栓療法を開始し塞栓後1年で#1:5.2mm,#2:4.5mm,#3:4.6mmとなった。OCTでは退縮部で正常内膜構造内側に低輝度で徐々に内腔に向かい高輝度となるLayered patternがあり、赤色血栓の器質化と考えられた。しかし他の退縮部には比較的均一に高輝度な所見もあり白色血栓もしくは内膜の線維性増殖像と思われた。【考察】CAFと同様、冠動脈が拡張する川崎病のOCT所見では内膜の線維性肥厚を認め、炎症による中膜の破壊と反応性の内膜肥厚とされる。CAFの冠動脈拡張は冠血流量増加によるもので川崎病の血管炎とは異なる。今回CAF塞栓後の退縮冠動脈には赤色血栓の器質化所見とともに、白色血栓もしくは内膜の線維性増殖と思われる所見を認め、血栓を形成しながら徐々に器質化する退縮過程と推測された。【結語】CAF閉鎖術後に退縮過程の冠動脈のOCT所見を報告した。CAF閉鎖術後の拡張冠動脈の退縮を良好に導くためには、厳重な抗血栓療法と経過観察が重要と考えられた。