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[III-P33-07] ドブタミン負荷心エコーにおける完全大血管転位症 Jatene術後症例の左室ストレイン評価について
キーワード:TGA, ドブタミン負荷, strain
【背景】先天性心疾患術後症例を対象とした負荷心エコーを用いた詳細な左室壁運動解析に関する報告は少ない。【目的】TGA、Jatene術後症例の左室 longitudinal strain(LS)、systolic strain rate(SRs)に対するドブタミン負荷心エコー(DSE)の影響を検討した。 【対象】TGA群:TGA、Jatene術後 8例(男 6例、4.6 ± 2.6歳)とC群(コントロール):正常小児 23例(男 11例、6.0 ± 3.2歳)。【方法】ドブタミン負荷:3分毎に、負荷前→5γ→10γ→20γ→30γ→40γ(最大)と徐々に投与量を上げ、定常状態でのB mode画像(4CV, 2CV, 3CV)を記録。超音波装置は GE社製 Vivid E9を、ストレイン解析はEcho Pacを使用した。左室を18 segmentに分割し、まず安静時の局所peak LS(PLS)を測定し, global LS(GLS)について、 C群とTGA群で比較。次にTGA群において、DSEを施行し、LS、GLS、 systolic strain rate(SRs)、global SRsをドブタミン負荷前後で比較。【結果】TGA群 vs C群 = 61.4±3.9 vs 65.6±4.3(LVEF、ns)、-20.7±0.9 vs -22.4±2.0(GLS、p=0.0445)。TGA群:負荷前 vs 負荷後= 61.4±3.9 vs 74.1±2.9(LVEF、p<0.001)、-21.0±2.08 vs -25.5±4.4(GLS、p<0.001)、-1.44±0.5 vs -2.84±1.2(GSRs、p= 0.000155)。冠動脈異常を認めた2症例では、DSEに対する上昇が上記結果と比較して低下していた。【結語】安静時のTGA、Jatene術後症例の左室LVEFは安静時で差がなかったものの、 GLSは正常小児と比較して低値であった。TGA、Jatene術後症例において 負荷前後で左室長軸方向ではストレイン<ストレインレートで上昇する。