The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster

体外循環・心筋保護

Poster (III-P44)

Sun. Jul 9, 2017 1:00 PM - 2:00 PM Poster Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Yasutaka Hirata(The Department of Cardiac Surgery, The University of Tokyo Hospital, Tokyo, Japan)

1:00 PM - 2:00 PM

[III-P44-02] 小児体外循環中の輸血使用量の評価 ~血液データの体重別推移~

北本 憲永1, 小出 昌秋2 (1.聖隷浜松病院 臨床工学室, 2.聖隷浜松病院 心臓血管外科)

Keywords:小児体外循環, 輸血使用量, 血液データ

【背景】小児体外循環システムは低充填量化により、体重17kg以下のシステムでは130mL以下となる。しかし、1単位の輸血では血液希釈の影響から追加輸血が必要となるケースも散見される。そのため当院では血液を追加する際、洗浄せずに使用することは血行動態に悪影響も懸念されることから2単位の濃厚赤血球と凍結血漿を予め洗浄し使用している。【目的】今回、2単位の輸血使用が患児の体重別血液データにどのような変化があるのかをヘマトクリット値(Hct)、総蛋白値(TP)、血小板数(Plt)フィブリノゲン値(Fib)の推移を確認する。【方法】2014年1月~2017年1月までの体重17kg以下103例を対象に体重4kg未満、4~6kg未満、6~9kg未満、9kg以上の群に分類し各データを後方視的に確認した。2単位の濃厚赤血球と凍結血漿を予め血液濾過透析用置換液で洗浄後、Hctを30%前後になるように調整する。体外循環回路内への充填以外に血液バックに約400mLを貯血し体外循環中から離脱にかけて補充を行う。離脱前には全例3単位の血小板を輸血した。【結果】Hct・TPは体重4kg未満の群で体外循環開始時が有意に低値となり離脱時では各群有意差は無くなった。Pltは体外循環開始時から離脱にかけ有意差は無く推移した。Fibは開始時有意差はなく離脱時で有意に体重4kg未満が高値となった。【考察】HctとTPの推移から体重が少ない症例では予め濃縮した状態で開始する必要があることが示唆された。血小板は体重に関係なく安定した推移を示したことから開始前に貯血バックに貯め患児との希釈を軽減したことが維持に繋がったと考える。Fibが離脱時に体重が少ない群で有意に高値を示したが、理論的には本来、最も増加することが一般的であり、HctやTPも同様に推移しない原因としては外科的な侵襲の影響と推測された。