1:00 PM - 2:00 PM
[III-P44-03] 小児人工心肺術中に人工肺前圧力異常上昇をきたし人工肺交換を施行した1例
Keywords:圧力上昇, 人工肺交換, 凝集
【緒言】
日本体外循環技術医学会より”予定外緊急人工肺交換に繋がる人工肺内圧の異常上昇”について検討するための人工肺内圧上昇ワーキンググループが設立され平成28年8月に報告されている。報告書内のアンケート結果には小児例>成人例(0.141%:1/709件vs 0.077%:1/ 1299件)と特に小児人工心肺症例において頻度が高く、2010、2011、2012年の3年間平均で、人工肺前圧上昇を伴う人工肺交換は1,193件に1件であり、しかも増加の傾向にあると示されている。
今回、当院の小児人工心肺症例で人工肺前圧力上昇による人工肺交換を施行した一例を経験したので報告する。
【症例】
手術施行日5歳7ヵ月、男児、身長90.2cm、体重11.9kgであった。診断は、完全大血管転移(3型)でありBTS術後、今回BDG術予定であった。人工肺はのオキシアIC06(JMS社製)を使用し、プライミングはRBC-LRによる血液充填を行った。
【経過】
麻酔導入中より血液充填にてプライミングを開始し、1時間ほどで人工心肺開始となった。人工心肺開始の ACTは422secであり、心肺開始直後の人工肺入口圧力は80 mmHg程度であったが、開始後10分で430mmHgまで徐々に上昇した。20分後にはFlow0.3L/minで人工肺入口圧力が450mmHgを超え、心拍動中であったため人工心肺を一度離脱した。人工肺交換後は人工肺前圧力の上昇はなく150 mmHg程度で推移した。また、交換から人工心肺再開までに要した時間は3分であった。
【結果】
使用した人工肺をメーカーに提出し検査したところ、設計上および製造上の問題点は検出されなかったが、マイクロスコープにて中空糸の観察を行ったところ、すべての層にわたって付着物が認められたが、圧力上昇の原因究明には至らなかった。
【結語】
今後の対策として、スタッフ間での人工肺圧力上昇時におけるトラブル対処方法の情報共有や、手技統一を図り迅速な対応を行るように検討した。
日本体外循環技術医学会より”予定外緊急人工肺交換に繋がる人工肺内圧の異常上昇”について検討するための人工肺内圧上昇ワーキンググループが設立され平成28年8月に報告されている。報告書内のアンケート結果には小児例>成人例(0.141%:1/709件vs 0.077%:1/ 1299件)と特に小児人工心肺症例において頻度が高く、2010、2011、2012年の3年間平均で、人工肺前圧上昇を伴う人工肺交換は1,193件に1件であり、しかも増加の傾向にあると示されている。
今回、当院の小児人工心肺症例で人工肺前圧力上昇による人工肺交換を施行した一例を経験したので報告する。
【症例】
手術施行日5歳7ヵ月、男児、身長90.2cm、体重11.9kgであった。診断は、完全大血管転移(3型)でありBTS術後、今回BDG術予定であった。人工肺はのオキシアIC06(JMS社製)を使用し、プライミングはRBC-LRによる血液充填を行った。
【経過】
麻酔導入中より血液充填にてプライミングを開始し、1時間ほどで人工心肺開始となった。人工心肺開始の ACTは422secであり、心肺開始直後の人工肺入口圧力は80 mmHg程度であったが、開始後10分で430mmHgまで徐々に上昇した。20分後にはFlow0.3L/minで人工肺入口圧力が450mmHgを超え、心拍動中であったため人工心肺を一度離脱した。人工肺交換後は人工肺前圧力の上昇はなく150 mmHg程度で推移した。また、交換から人工心肺再開までに要した時間は3分であった。
【結果】
使用した人工肺をメーカーに提出し検査したところ、設計上および製造上の問題点は検出されなかったが、マイクロスコープにて中空糸の観察を行ったところ、すべての層にわたって付着物が認められたが、圧力上昇の原因究明には至らなかった。
【結語】
今後の対策として、スタッフ間での人工肺圧力上昇時におけるトラブル対処方法の情報共有や、手技統一を図り迅速な対応を行るように検討した。