10:25 AM - 11:55 AM
[III-PD8-02] The Technique of Transcoronary Cardiac Progenitor Cell Infusion in Children with Single Ventricle Physiology.
Keywords:Single ventricle, Transcoronary infusion, Regenerative therapy
【はじめに】当院では心機能回復を目的に2011年1月から自己心臓内幹細胞移植の臨床試験を行い、これまで41例の機能的単心室症小児に対し同手技を行った。臨床手技的にはtemporary occlusionバルーンにより血流遮断した冠動脈の遠位部から培養した心筋幹細胞(CDCs)を注入する点が最重要となる。【方法 自己心臓内幹細胞移植の実際】41例の月齢中央値は33ヶ月(±17ヶ月)、体重中央値は10.1kg(±3.0kg)、診断名はHLHS(variant含む)22例、Asplenia/SV7例、TA2例、Polysplenia/SV2例、DORV/hypo LV2例、SLV2例、他4例であった。予めGlennまたはFontan手術時に採取した右心房組織からCDCsを分離培養し、移植当日には培養液3ml中に3.0×105個/kgとなるよう調整する。冠動脈内またはその近傍で5F guiding catheterを固定し2.8F temporary occlusion balloon(KUDOS○R)を冠動脈標的部位まで到達させ、約1分程度冠血流を遮断しCDCsを注入する。大血管と冠動脈走行に応じ、手技は大きく3パターンに分類され、第1はNorwood手術後にみられる細いnative Aortaと単一冠動脈であり(24例59%)、第2は単心室肺動脈閉鎖などにみられる拡大した大動脈から左右冠動脈が別々に起始するケースであり(7例17%)、第3はDamus-Kaye-Stansel(DKS)手術後(10例24%)である。「15mmHg以上の血圧低下や20bpm以上のHR低下を認めた場合は緊急でballoon deflateを行う」という安全基準を設けたところ、手技中一過性ST変化を39例、15mmHg以上の血圧低下を18例に、20以上のHR低下を5例に、一過性冠動脈攣縮を8例に認めたがいずれも手技中に改善した。当院で行った冠動脈バルーン閉鎖下自己心臓内幹細胞につき、ビデオを用い報告する。