[I-MOR01-03] 先天性心疾患外科治療が発達に与える影響の新版K式発達検査2001を用いた検討
キーワード:新生児, 発達, 先天性心疾患
【背景】先天性心疾患に対する外科的・内科的治療が進歩するのに伴い、多くの疾患において治療の目標は生命予後の改善から発達予後の改善へシフトしつつある。どのような症例がどのような発達予後を呈しているかの検討は重要である。【方法】当院で2015年1月から2016年12月までの2年間に新版K式発達検査2001で評価を行っていた患者のうち、心臓血管外科での手術歴があった71症例について、周産期歴、診断、治療、栄養開始時期、発達予後に関する情報を診療録から後方視的に抽出し検討した。【結果】初回手術を新生児期に行っていたものは44例、うち28例が早期新生児期であった。単心室循環は44例、27例が二心室循環であった。在胎週数や出生時体重と発達指数との間に明確な相関関係は見いだせなかった。早期新生児期に手術した群と、それ以降の新生児期に手術した群の発達指数を比較すると、前者で有意に発達指数が高く(p = 0.0358)、新生児期に手術した群と乳児期以降の群では有意差はなかった(p = 0.169)。【考察】今回の検討では早期新生児期の手術が発達予後に少なくとも悪影響を及ぼすことはない結果であり、初回手術のタイミングよりも手術内容や原疾患がより発達に影響していると推測された。一方で、今回検討に含めなかった術後急性期の生命予後については手術時期が関与している可能性がある。また、初回手術以降の治療経過についても検討を要する。