[I-OR06-02] 小児のペースメーカー治療における心外膜リードに関する単施設後方視的検討
キーワード:ペースメーカー, 不整脈, 心外膜リード
【背景】小児のペースメーカー植え込みは体格や背景心疾患のため心外膜リードが使用されることが多い。小児では成長や活動性の高さのため成人と比してリードトラブルが多いと言われている。また、これまでの報告において5年時点のリードサバイバルは経静脈リード90-95%、心外膜リード70-90%となっており、後者の耐用年数が短いとされている。今回我々は当院おける小児の心外膜リードの耐久性について検討した。【方法】1997年から2017年の期間に当院で心外膜ペースメーカー植え込み術を施行された小児全例を対象とした。背景疾患、植え込み手術及び周術期、フォローアップデータについて後方視的に検討した。リードサバイバルについてKaplan-Meier法で解析し、リードトラブル発生に対するリスク因子の検討を単変量解析、多変量解析により行った。【結果】症例は26例、総リード数52本(心房24本、心室28本)であった。背景心疾患は先天性心疾患24例、不整脈疾患2例であった。ペースメーカー植え込みの適応としては先天性完全房室ブロック4例、術後房室ブロック14例、洞不全症候群8例であった。初回植え込み手術時の年齢は1(0-16)歳、体重は7(2-25)kgであった。中央値3(0-15)年のフォローアップ中にリード交換を要した症例が6/52(12%)例であり、その内リード機能不全が1/52(2%)例、他は感染による抜去であった。Kaplan-Meier曲線より得られた全体のリードサバイバルは1年、5年で92%、86%であった。心疾患、性別、植え込み時の年齢や体重などいずれもリード交換のリスク因子として有意差は得られなかった。【結論】心外膜リードのリードサバイバルは過去の報告と比較しても良好な耐久性を示した。本研究は単施設の限られた症例数での検討であり、詳細な検討やリスク因子の同定のために今後多施設による検討が必要である。