[I-OR13-02] 三次元心臓超音波検査法による極低出生体重児におけるEa, Eesと心筋重量の推移
キーワード:左心機能, 極低出生体重児, 三次元超音波
【始めに】出生後の左室機能評価では、生理的肺高血圧による左室の変形を考慮する必要がある。三次元超音波検査はこの変形の影響を除いて直接左室容積を測定できる。これを利用し我々はこれまでに極低出生体重児(VLBWI)におけるEa(Arterial elastance ), Ees(end-systolic Elastance)の推移を報告してきた。今回、左室心筋重量の変化を測定し、生後の左室適応について検討したので報告する。【対象】2012年10月から2015年12月までに当院NICUに入院し、先天奇形をともなわない在胎相当体重児(Apropriate for age;AFD)であるVLBWI20例。(出生体重 中央値1209g(1445~706g),在胎週数 中央値29週3日(31週6日~25週6日))【方法】Philips iE33を使用し、Q labによりbiplane Area-length法により左室心筋重量(LV mass)を求めた。また、3DQ Advanceで、拡張末期左室容積(LVEDV)と、収縮末期左室容積(LVEDV)、を計測した。心拍出量(CO)はドプラー法によりもとめた。それぞれ4心拍を計測しその平均値を使用した。Ees、Eaは Tanoueらの方法をもちいて、end-systolic Elastance(Ees)、effective arterial Elastance(Ea)、を計算した。左室容積は体表面積で除して、補正したものを使用した。(LVEDVI, LVESVI)COは出生体重で除して補正した。これらの値を出生後12時間、24時間、48時間、96時間測定した。【結果】Ees、Ea、LVmassには観察期間内に有意な変化は認められなかった。しかし、単回帰分析では24時間LVEDVI と 96時間のLVmassの間には有意な正の相関関係(r=0.65,p<0.01)および、48時間Eesと96時間LVmassとの間には有意な負の相関関係を認めた。(r=-0.43,p<0.05)スッテプワイズ多変量重回帰分析で24時間のLVEDVIが96時間のLVmassと有意であった。(p=0.02)【結語】生後96時間の心筋重量は生後24時間のLVEDVIと相関し、生後24時間の容量負荷が心筋肥大反応に影響を与えているとおもわれた。