[I-OR16-03] 心肺運動負荷試験からみたFontan術後遠隔期心血管イベント発生の予測
キーワード:Fontan手術, 心肺運動機能, 遠隔期合併症
【背景】Fontan術後患者では健常者と比較し運動耐容能低下がみられる。運動中の心拍出量増加において、その前半は一回拍出量増加に、後半は心拍数増加に依存することが知られ、心肺運動負荷時における酸素脈(酸素摂取量/心拍数)の経時的変化は1回拍出量の経時的変化を反映する。そこでFontan術後遠隔期心血管イベント発生と酸素脈経時的変化(oxygen pulse kinetics)の関係を検討した。
【方法】Fontan術後に心肺運動機能試験(CPX)を実施した76例を対象とし、運動前・1分・5分・最大運動時における酸素脈経時的変化(oxygen pulse kinetics)とほぼ同時期におこなった心臓カテーテル検査結果について、遠隔期心血管イベントの有無で比較検討した。
【結果】CPX時年齢9.1(8.3‐13.4)歳、Fontan術後5.3(5.0‐5.9)年であった。経過観察期間Fontan術後15.3(11.2‐16.3)年における心血管イベント発生は10例(13%)で、その内訳は死亡3例、心不全2例、蛋白漏出腸症2例、血栓性イベント2例、不整脈1例であった。最大酸素摂取量30.3(26.1‐36.1)ml/min/kg、最大心拍数143(134‐160)bpm、運動時間523(402-691)秒であった。心血管イベントの有無における2群間比較では、年齢、性別、心係数、中心静脈圧、PA index、最大酸素摂取量、最大心拍数、運動時間に有意差はなかった。しかし、酸素脈経時的変化は心血管イベントがなかった群では運動前2.0(1.8‐2.4)→5分時5.0(4.3‐5.6)→最大運動時5.9(5.1‐7.6)ml/min/bpmと経時的上昇が見られたのに対して,心血管イベントがあった群では運動前2.2(2.0‐2.8)→5分時5.2(4.2‐5.3)→最大運動時5.1(4.5‐5.6)ml/min/bpmと運動5分から最大運動時までの増加が有意に不良または低下してしていた。(P=0.04)
【結論】Fontan術後患者における運動中の1回拍出量増加不良が遠隔期心血管イベント発生と関連していること示唆した.
【方法】Fontan術後に心肺運動機能試験(CPX)を実施した76例を対象とし、運動前・1分・5分・最大運動時における酸素脈経時的変化(oxygen pulse kinetics)とほぼ同時期におこなった心臓カテーテル検査結果について、遠隔期心血管イベントの有無で比較検討した。
【結果】CPX時年齢9.1(8.3‐13.4)歳、Fontan術後5.3(5.0‐5.9)年であった。経過観察期間Fontan術後15.3(11.2‐16.3)年における心血管イベント発生は10例(13%)で、その内訳は死亡3例、心不全2例、蛋白漏出腸症2例、血栓性イベント2例、不整脈1例であった。最大酸素摂取量30.3(26.1‐36.1)ml/min/kg、最大心拍数143(134‐160)bpm、運動時間523(402-691)秒であった。心血管イベントの有無における2群間比較では、年齢、性別、心係数、中心静脈圧、PA index、最大酸素摂取量、最大心拍数、運動時間に有意差はなかった。しかし、酸素脈経時的変化は心血管イベントがなかった群では運動前2.0(1.8‐2.4)→5分時5.0(4.3‐5.6)→最大運動時5.9(5.1‐7.6)ml/min/bpmと経時的上昇が見られたのに対して,心血管イベントがあった群では運動前2.2(2.0‐2.8)→5分時5.2(4.2‐5.3)→最大運動時5.1(4.5‐5.6)ml/min/bpmと運動5分から最大運動時までの増加が有意に不良または低下してしていた。(P=0.04)
【結論】Fontan術後患者における運動中の1回拍出量増加不良が遠隔期心血管イベント発生と関連していること示唆した.