[I-S01-01] ボーダーライン症例をどうするか-QT延長症候群-
キーワード:学校心臓検診, QT延長症候群 , probability
QT延長症候群 (LQTS) の診断と経過観察にはSchwartz scoreでのhigh, intermediate, low probability of LQTSの分類が使用されることがほとんどと考えられる。Schwartz scoreがLQTS患児・患者の予後推測に有用なことは多くの論文で報告されている。一方、日本においては学校心臓検診(心検)があり、無症状の児童生徒が多数抽出される。「ボーダーライン症例をどうするか」は「ボーダーライン症例を経過観察すべきか」という命題に置き換えてもいいと考えられる。LQTSのhigh probabilityは必ず経過観察されると思われるが、intermediate および low probability of LQTS を経過観察すべきか、という視点で考えてみたい。鹿児島医療センターでは、QT延長症候群またはQT延長疑いとして外来受診があった場合、安静時・運動負荷心電図、Holter心電図を全員に行っている。Holter心電図でのQT/RR間隔測定も行っている。QTc値が長い場合、遺伝学的検査もお願いしている。上記のような条件のもと、2008年から2013年にK市心検を受診した小・中学生のうち、LQTSまたはLQTSの疑いとして三次次検診を受診した86名(Yoshinaga M, et al. Eur Heart J, 2017)のうち、症状受診していた3名を除く83名について予後調査を行った。high, intermediate, low probability of LQTSに分類後、症状出現の有無、治療開始の有無、遺伝学的検査結果、dropout率について検討を行ったので報告する。上記の心検受診者を含め、当センターの全症例でも検討を行いたい。