[I-S05-03] 3D心エコーのスペックルトラッキングを用いた先天性心疾患での心機能評価
キーワード:3D心エコー, スペックルトラッキング, 心筋ストレイン
先天性心疾患では心室形態が複雑で、2次元断面で全体を代表させることは難しい。先天性心疾患の心腔こそ3次元的評価が必要な方法である。さらに、心エコー法の利点である高い時間分解能を生かしスペックルトラッキング法を応用することにより、心室壁の収縮拡張の定量評価が可能である。近年、2次元スペックルトラッキング法により求めた左室や右室の長軸ストレイン(global longitudinal strain, GLS)は駆出率を超える心筋病態の指標として、成人循環器内科診療において重要な位置をしめるまでになった。特に2次元スペックルトラッキング法で求める心室全体の長軸ストレインが広くその有用性を認識されている。GLSは機能性僧帽弁逆流の左室固有機能評価における有用性をしめす報告があり、先天性心疾患に多い弁膜症を合併した右室の機能評価にも応用が期待される。3次元スペックルトラッキング法では、2次元断面依存性のない、真の心筋壁変形情報に基づき、長軸ストレイン、円周方向ストレイン、さらに面積ストレインを得ることができる。3次元エコーの面積ストレインは心臓の軸に非依存性の局所機能指標である。これまでに肺高血圧症の右室流入路自由壁の面積ストレインは予後予測に有用であることが報告されている。さらに、面積ストレイン値を心内膜モデル上にカラー表示することにより、無収縮から奇異性収縮をしめす瘢痕組織領域の可視化も可能となる。また、ストレインの等時相マッピングにより収縮伝播様式を表示すれば、同期不全の直感的把握が可能となる。これは、心臓再同期療法の再遅延収縮部位の同定に有用である。
体表3D心エコー法の欠点は、画質不良例では応用できないことである。このような症例では経食道エコーや開胸時の術中評価が有用なことがある。
本シンポジウムでは、心エコーストレインの後天性心疾患でのエビデンスと、先天性心疾患診療における役割について紹介したい。
体表3D心エコー法の欠点は、画質不良例では応用できないことである。このような症例では経食道エコーや開胸時の術中評価が有用なことがある。
本シンポジウムでは、心エコーストレインの後天性心疾患でのエビデンスと、先天性心疾患診療における役割について紹介したい。