[I-S05-05] 心臓MRI-phase contrast法で先天性心疾患を読み解く
Keywords:心臓MRI, Phase contrast 法, 先天性心疾患
心臓MRI(CMR)Phase contrast(PC)法は任意の局所関心領域血流量を計測できる優れた非侵襲的画像診断法であり、様々な先天性心疾患(CHD)の血行動態評価に用いられる。
当院ではこれまでに2000例以上のCHD-CMRを撮影解析してきた。要点は10カ所(Ao/MPA/SVC/IVC/RPA/LPA/RPV/LPV/MV/TV)の血流量計測とCine MRからの心室容積算出である。
CHDと一口にいっても一般には疾患群毎に撮影部位調整が必要となる。しかし、上記撮影法であればどのような疾患であっても網羅的・包括的な解釈が可能である。身体所見や他のimaging modalityを統合して読影すればより深淵をのぞくこともできるだろう。無被曝で繰り返し使えることもまた大きな利点である。
治療方針を決定する要因に量的要素が多数含まれる上、成長に伴い値が大きく変化しうるCHD領域では、必然的に上述の特性を有するCMRが威力を発揮する。複数のシャントを有し心室機能も多様かつ時々刻々変化するFontan candidateはその最右翼であろう。
ここでは右心バイパス循環と単心室並列循環が混在した複雑な循環であるbidirectional Glenn (BDG)循環からいくつか要点をあげたい。
1) BDG循環Qpの約40%はAPC経由である(n=200)
2) APCコイル塞栓術翌日にQp/Qsは1.12から0.97へ、APC流量は約20%減少した(n=10)
3) 20例のデータセット(Fontan術前後のCMRおよびカテデータ)からFontan術後CVP予測式が導かれ、術前に無名静脈から大きなVV shuntを有する2症例(いずれもSVC圧=(8)mmHg)に適用したところ、1例はFontan術後予測CVP=9.9mmHgと推測され成立したが、他の1例は15.1mHgと推測されfenestrationをおいたにもかかわらずtake downを必要とした。
このようにPC法を中心としたCMRはCHDの複雑な血行動態を読み解き、治療適応や術後予測に極めて有用である。引き続き多くの知見が集積されることを期待したい
当院ではこれまでに2000例以上のCHD-CMRを撮影解析してきた。要点は10カ所(Ao/MPA/SVC/IVC/RPA/LPA/RPV/LPV/MV/TV)の血流量計測とCine MRからの心室容積算出である。
CHDと一口にいっても一般には疾患群毎に撮影部位調整が必要となる。しかし、上記撮影法であればどのような疾患であっても網羅的・包括的な解釈が可能である。身体所見や他のimaging modalityを統合して読影すればより深淵をのぞくこともできるだろう。無被曝で繰り返し使えることもまた大きな利点である。
治療方針を決定する要因に量的要素が多数含まれる上、成長に伴い値が大きく変化しうるCHD領域では、必然的に上述の特性を有するCMRが威力を発揮する。複数のシャントを有し心室機能も多様かつ時々刻々変化するFontan candidateはその最右翼であろう。
ここでは右心バイパス循環と単心室並列循環が混在した複雑な循環であるbidirectional Glenn (BDG)循環からいくつか要点をあげたい。
1) BDG循環Qpの約40%はAPC経由である(n=200)
2) APCコイル塞栓術翌日にQp/Qsは1.12から0.97へ、APC流量は約20%減少した(n=10)
3) 20例のデータセット(Fontan術前後のCMRおよびカテデータ)からFontan術後CVP予測式が導かれ、術前に無名静脈から大きなVV shuntを有する2症例(いずれもSVC圧=(8)mmHg)に適用したところ、1例はFontan術後予測CVP=9.9mmHgと推測され成立したが、他の1例は15.1mHgと推測されfenestrationをおいたにもかかわらずtake downを必要とした。
このようにPC法を中心としたCMRはCHDの複雑な血行動態を読み解き、治療適応や術後予測に極めて有用である。引き続き多くの知見が集積されることを期待したい