[I-YB02-06] 先天性心疾患患児がつなげる夢と希望
キーワード:フォンタン手術, 支援活動, 患者
私は、フォンタン患者としてインドネシアや日本各地のフォンタン患者さんやその家族の支援活動に参加している数学専攻の大学院生です。患者が医療者側の立場に立って支援活動に参加するという希有な経験の一部を紹介したいと思います。【インドネシアへ行くきっかけ】インドネシアで小児心臓外科医として働いた経験があり、20年間、毎年定期的にチームを作りインドネシアを訪れている共同演者の麻生先生は私の小さい頃の主治医で、「大きくなったら一緒にインドネシアへに行こう」と誘ってくれており、大学生になってはじめて参加しました。【私にできること】私は、フォンタン患者やその家族を支援する活動、「フォンタンの会」に参加しています。これはフォンタン手術を受けたこども達に好きな運動を無理せずに行なわせ、その過程で自分の限界に気づいてもらい、「何ができない」ではなく「こんなことをしている、あんなことがやりたい」と、前向きに子どもたちを支援していく会です。私はインドネシアでも同様なことができるのではないか、私自身が患者だからこそ、病児や家族が一生心臓病とつきあっていく勇気や前向きな気持ちを持ってもらえるのではないかと考えました。【実際に行ってみて】私が、自分の手術の跡を見せると、「手術をしたらこんなに元気になるんだ。」「将来の希望を持つことができた。」ととても喜び、こどもも両親も笑顔になりました。孤立していると悩んでいた子には、できることと出来ないことを周囲の皆に話して理解してもらうことが大切とアドバイスをし、また別のこどもは手術をして元気になれることが分かりリハビリに励むようになったとリハビリの先生から喜ばれました。【また次へ】この活動は私自身の励みにもなりました。また、患者の立場での私の活動が、これからフォンタン手術を受けるこどもや両親に前向きな気持ちを持たせ、勇気を与え、次へと繋がっていく道標になれば幸いです。