[II-MOR08-04] Erosion症例からみた経皮的心房中隔欠損閉鎖術における危険因子の検討
Keywords:erosion, ASD, 危険因子
【背景】Aortic (Ao)及びsuperior rim (Sup)欠損と中隔malalignment (Mal)を伴ったASDに対しFigulla Flex 2 (FF)を留置し、4日後にerosionを合併した症例 (E例)を経験した。【目的】他症例との比較から本例の特異性を検討すること【対象】2013年1月から2017年12月にASDのカテ治療を試みた87例中、デバイスを留置できたaortic rimが5mm未満の44例 (S群) (男女比14/30、年齢中央値15歳 (5-84)、体重中央値48kg (20-70))とE例 (男、8歳、体重27kg)を後方視的に比較検討した。【方法】TEE画像からballoon sizing径 (BS)、Ao / Sup rimの長さ、Malの有無、Ao側留置形態 (flare or closed)、valsalva圧迫の深さについて、また診療録からデバイスの種類とサイズについて単ロジスティック回帰を用いE例の危険因子を検討した。【結果】以下S群 / E例の結果として、BSは中央値 13.3mm (8.1-28.1mm) / 11mm、Ao rimは中央値2.5mm (0-4.9mm) / 0mm、Sup rimは中央値7.5mm (0-15mm) / 0mm (p=0.02)、MalはS群15例 (34%)とE例に認め、Ao側留置形態はflareがS群6例 (14%)、E例はclosedで、valsalva圧迫はS群15例 (34%, 0.8-1.9mm)、E例に2.2mm (p < 0.01)あり、使用デバイスはS群でASO/FF 35/9例、E例はFF、デバイスサイズは両デバイスで中央値14mm (8-28mm)、E例15mmであった。選択したデバイスサイズ / BSはS群 / E例として1.0 (0.9-1.4) / 1.4 (p=0.02)であった。またMal16例のうちAo側が1次中隔側に留置されたのはE例のみであった。【結語】E例は有意にSup rimが短く、BSに比し大きいデバイスを選択し、valsalva圧迫が強かった。Mal症例で1次中隔側に留置されAo側がclosedになったことで圧迫が強くなったと推測された。