[II-OR22-01] PDA径・他のエコー指標は、早産児PDA手術の必要性と強く関連する 多施設前方視的PLASE研究
Keywords:PDA, 左房容積, エコー
【目的】動脈管開存症(PDA)は、早産児の重要な合併症である。その評価に心エコーが使用されるが、心エコー指標で手術治療必要性予測を十分なサンプルサイズで検討されたものはない。現在、どの心エコー指標がより有用であるかは不詳である。我々は、29週未満の早産児で、心エコー指標の手術治療必要性予測における有用性を前方視的に検証した。
【方法】14か月の間に全国34NICUで、在胎23から29週出生の児の臨床データ、心エコーデータを前方視的に収集した。日齢1, 3, 7, 14日、および該当例では初回インドメタシン投与前、および手術前のデータを収集した。心エコー指標は、左室拡張末期径(LVDd), LA/Ao比, 左房容積(LAV), 左肺動脈拡張末期速度 (LPAedv), PDA径の 5つとした。 容積・径は出生時体重で除して補正し、各児の経過中の最悪値を解析に使用した。在胎週数、性別、SGAの有無を考慮に入れ、各心エコー指標とPDA手術の有無の関連を多変量ロジスティック解析で検討した。
【成績】同意取得737例のうち、予め定めた除外基準例を除いた解析対象が691例であり、そのうち61例 (8.8%)が、全臨床経過と検査結果を考慮に入れ、PDAの手術治療を受けた。5つの指標とも、その悪化はPDA手術施行と有意に関連した。特に、PDA径のROC曲線のAUCが最大で(0.841)、LVDd (0.778)、LAV (0.776)、LPAedv (0.754)、LA/Ao比 (0.668)と続いた。
【結論】PDA径や、左房左室の拡大指標は、早産児PDA手術必要性と関連する指標として有用であり、LPAedvはほぼ同等の正確性で体格補正を要さない指標として有用と考えられた。
【方法】14か月の間に全国34NICUで、在胎23から29週出生の児の臨床データ、心エコーデータを前方視的に収集した。日齢1, 3, 7, 14日、および該当例では初回インドメタシン投与前、および手術前のデータを収集した。心エコー指標は、左室拡張末期径(LVDd), LA/Ao比, 左房容積(LAV), 左肺動脈拡張末期速度 (LPAedv), PDA径の 5つとした。 容積・径は出生時体重で除して補正し、各児の経過中の最悪値を解析に使用した。在胎週数、性別、SGAの有無を考慮に入れ、各心エコー指標とPDA手術の有無の関連を多変量ロジスティック解析で検討した。
【成績】同意取得737例のうち、予め定めた除外基準例を除いた解析対象が691例であり、そのうち61例 (8.8%)が、全臨床経過と検査結果を考慮に入れ、PDAの手術治療を受けた。5つの指標とも、その悪化はPDA手術施行と有意に関連した。特に、PDA径のROC曲線のAUCが最大で(0.841)、LVDd (0.778)、LAV (0.776)、LPAedv (0.754)、LA/Ao比 (0.668)と続いた。
【結論】PDA径や、左房左室の拡大指標は、早産児PDA手術必要性と関連する指標として有用であり、LPAedvはほぼ同等の正確性で体格補正を要さない指標として有用と考えられた。