The 54th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

会長賞選別

一般口演22(II-OR22)
会長賞選別講演

Fri. Jul 6, 2018 11:00 AM - 11:50 AM 第3会場 (302)

座長:賀藤 均(国立成育医療研究センター)
座長:鈴木 孝明(埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓外科)

[II-OR22-04] 心外導管型Fontan手術におけるconduitサイズの検討:16mmと18mmの遠隔成績

竹本 捷, 中野 俊秀, 小田 晋一郎, 藤田 智, 藤本 智子, 阪口 修平, 岡本 卓也, 満尾 博, 角 秀秋 (福岡市立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:Fontan手術, conduitサイズ, 遠隔成績

【目的】フォンタン手術において心外導管型フォンタン手術(Extracardiac Total Cavopulmonary Connection:EC-TCPC)が主流である。当院における16mm及び18mm conduitによるEC-TCPCの成績を比較検討した。
【対象と方法】1995年から2015年にEC-TCPCを施行した541例中、16mm及び18mm conduitを使用した497例(16mm 153例、18mm 344例)を対象とした。手術時年齢、体重、観察期間(16mm群 vs18mm群)は3.0±1.2 vs 3.7±1.5歳、11.2±2.1 vs 12.7±2.3kg、9.1±4.6 vs 9.0±4.8年であった。
【結果】手術死亡を16mm群1例、遠隔死亡を16mm群6例、18mm群10例認めた。Conduitの交換が2例行われ、原因は屈曲による狭窄と肺動静脈瘻に対する血流方向の転換であった。合併症(16mm群、18mm群)は、不整脈(8例、7例)、蛋白漏出性胃腸症(3例、5例)、血栓塞栓症(1例、2例)を認めた。死亡を含めたイベント発生回避率は10年で89.1 vs 92.2%であり有意差を認めなかった。術後10年以上経過(13.2±1.9年)後のカテーテル検査では、CVP 10.5±2.5 vs 10.0±2.6 mmHg、CI 2.9±1.0 vs 3.6±1.4 L/min/m2(p<0.01) 、SVEDP 7.7±3.1 vs 5.2±4.5 mmHg(p<0.05)、SaO2 94.6±1.4 vs 94.4±1.9 %と18mm群において有意にCIが高くSVEDPは低かった。術後9.2±4.8年での血液検査異常値の割合は、BNP 22.4 vs 24.7%、AST 30.1 vs 37.3%、ALT 3.9 vs 4.3%、γGTP 59.5 vs 56.2%といずれも有意差を認めなかった。肝臓エコーは16mm群92例、18mm群174例、術後9.9±4.3年で行われ、Hyper-echoic spotを含む異常所見率は58.3 vs 57.5% で有意差を認めなかった。運動負荷試験は術後10±3.7年で行われ、Peak HR(79.4±11.2 vs 81.1±10.9 %N)、Peak VO2(85.9±17.4 vs 83.4±19.5 %N)の有意差は認めなかった。
【結語】16mm及び18mm conduitを使用したEC-TCPCの遠隔期成績は満足できるものであったが、遠隔期の心臓カテーテル検査からは18mmの有用性が示唆された。