[II-OR24-04] 頻拍の既往のないFontan(APC)症例に施行したEPSの検討
キーワード:Fontan, 上室頻拍, アブレーション
背景:Fontan(APC)術後はRAの拡大により経年的に上室頻拍(SVT)の頻度が増加する。SVTの出現を契機としてTCPC変換手術を行うことが多かったが、最近はRAの拡大のみでTCPC変換手術を施行する傾向にある。目的:TCPC変換手術前に、頻拍の既往のないAPC症例に施行したEPSを検討する。症例:20例、EPS時の年齢は23±5歳(17~37歳)、APC施行年齢は4±3歳(1~14歳)、APCからEPSまでの期間は18±3年(13~25年)、中心静脈圧(CVP)は12±2(9~17)mmHg、RA容積は93±38(46~161)ml/m2であった。結果:20例中10例はSVTが誘発されずカテーテルアブレーション(CA)は施行しなかった((-)群)。10例(50%)にSVT(1~5 SVT)が誘発されたため、すべてのSVTに対してCAを施行した((+)群)。(-)群と(+)群を比較して有意差を認めたのは、EPS時の年齢(20±2 vs. 27±6 歳、p=0.005)、APCからEPSまでの期間(16±1 vs. 21±3 年、p=0.001)であった。APC施行年齢、CVP、RA容積には両群に有意差を認めなかった。結論:臨床的にSVTを認めなくてもAPC症例は経年的にSVTが起こりうる。