[II-OR27-06] 遠隔期川崎病冠動脈病変に対する光干渉断層法(OCT、OFDI)による血管壁評価
Keywords:川崎病, OCT, カテーテル
【背景】川崎病遠隔期において冠動脈病変の血管壁が如何なる変化を呈するか明らかになっていない。光干渉断層法(OCT(optical coherent tomography)およびOFDI(optical frequency domain imaging))は血管壁の詳細な評価が可能であり、成人領域の急性冠疾患症例の冠動脈壁の評価に広く用いられているが、川崎病遠隔期における報告はまだ少ない。【目的】OCTおよびOFDIを用いて、川崎病遠隔期における冠動脈の内膜肥厚・石灰化・血管新生・血栓の有無等の冠動脈血管壁の性状を評価し、急性期病変と比較すること。【方法】対象は2016年3月から2017年12月までに、当院で冠動脈造影と同時にOCTもしくはOFDIにて、残存冠動脈瘤、その周囲の冠動脈の血管壁評価を行なった川崎病遠隔期4症例。評価可能であった16区域毎に血管壁の評価と急性期冠動脈拡大の程度との比較を行なった。【結果】4例は全例男性。検査施行時年齢は17歳3ヶ月~23歳9ヵ月(中央値19歳1ヵ月)、発症からのフォロー期間は14年0ヶ月~18年11ヵ月(中央値16年5ヵ月)であった。急性期6mm以上の拡大もしくは瘤形成を認めた12区域では全区域で内膜肥厚を認め、5区域で石灰化病変を、4区域で血管新生が確認された。明らかな血栓形成は認められなかった。急性期に拡大を認めなかった4区域のうち、2区域でも内膜肥厚がみられた。【考察】急性期拡大・瘤病変には石灰化や新生血管増生をともなった内膜肥厚を全例で認めた。また、急性期拡大・瘤病変を有する川崎病遠隔期の症例には、元々冠動脈拡大を有しない病初期正常区域にも内膜肥厚が半数の病変に認められ、それらも含めた長期のフォローアップが必要と考えられた。